![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161798814/rectangle_large_type_2_9cbda46f2da1d22cb6b367fbe4da684f.jpeg?width=1200)
『グラディエーター2』へ、リドリー・スコット監督作個人的おさらい
リドリー・スコット監督の『グラディエイター2』が、明日から公開になります。
本日、デンゼル・ワシントンのインタビューが各所で記事になっております。ちょっとご不満が。カットされたシーンを話すのはぎりぎりいいけど、展開をしゃべるのはやめてくれ~~。いや、話すのはその人の体験だから止められないけど、その展開を記事にしてSNSで増幅させないでくださいっ。読んでしまった。うっ。
あたまから消すことにします。
リドリー・スコット監督は、御年86歳だそうです。
すごいですね。86歳で群衆うごめくグラディエーターを撮るなんて、感嘆です。期待しております。
「カルト的」と修飾されることの多い代表作『ブレードランナー』、その2にあたる『ブレードランナー2049』(2017年)をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がつくり、御大は、上映時間が長すぎるんだよッとおっしゃっていたそうで、ご自身がつくりたかったんだろうな、などと思っておりました。
ちょうど同じ頃に、リドリー・スコット監督制作で上映されたのが、『エイリアン・コヴェナント』。映画館で見たのですが、わたしのなかでは不評、ずっこけ作品だったので、ブレードランナーの新作はヴィルヌーヴ監督で良かった、と思っておりました。続けて、『ゲティ家の身代金』、こちらは、リアルで俳優の降板劇、その後、主演俳優の男女での賃金格差の問題などスキャンダルに見舞われつつ、とはいえ、作品が重要。冒頭は緊張感に満ちていたのに、後半は「?????」。物足りなかったです。
キャストを変えての短期間の再撮影が話題になっていましたが、作品自体の展開は尻すぼみでした。
このままでしたら、見なくなっていたかもしれません。
次の作品は、2021年、『最後の決闘裁判』が配信でした。ジョディ・カマーが主演、アダム・ドライバーと、マット・デイモンの三つ巴のキャスティング。ジョディ・カマーは、連続ドラマ『キリング・イヴ』で迫力の俳優さん。題材は14世紀のレイプ事件を藪の中形式で語るというものです。
リドリー・スコット監督は、『テルマ&ルイーズ』も撮っていますね。大学の授業の題材で見ました。フェミニズムの視点でたっぷりと語ることのできる映画です。時代を率先していました。
ただし映画をそのように見ることはできても、監督がそのように作ったかはわかりません。その監督が、『最後の決闘裁判』。どうでしょう。期待と違えば、見て、がっかり、いや、それ以上に傷つく内容だったらどうしようという不安もありながら見ました。
私の感想は、内容はまあまあだったけれど、決闘シーンの迫力がすごい、でした。
悪くなかった、ということで、次に、『ナポレオン』。
わたし、この時代の、まだ人間が不潔だったころ(?)に興味があります。宮廷があり、権力闘争がわかりやすい時代ですね。
それで、『ナポレオン』を見ましたら、かなり面白かったです。
妻のジョゼフィーヌを演じるのは、ヴァネッサ・カービー。またまた顔がこわい俳優さんですね。ナポレオンのヒーロー映画ではなくて、劣等感と上昇志向と恋愛がよじれているおはなし。ナポレオンが、ホアキン・フェニックスなので、よじれ感がこわいんですけど、監督がぎりぎりチャーミングにも撮っています。でもラストに押し寄せるのは……さて、あなたなら、なにを考えますか!
ナポレオンといいながら、ジョセフィーヌのはなしでもあるところが、80歳を超えた監督として、現代のキャッチアップがすごい。そして描写には戦闘シーンが出てくるのですが、群衆の撮影がすてきなんですね。迫力があって、ああ、もう、こんな群衆のひとりだったが生きた心地がしないけれど、人間ってさあ~~と無意識に考えてしまうようなシーンとなっています。
この映画、斬新な切り口で、かつ、優雅さと奢侈と残酷さと卑小さとをごちゃ混ぜに味わえて、すごく面白いんじゃない???あまりない映画じゃない?しかも誰もが知ってる歴史上の人物で興味深い、とわたしは思ったのですが、あまり話題にはなりませんでした。批評家は無視したのかしら。
『ナポレオン』、リドリー・スコット監督、もっと評価されてもよかったのでは。
ナポレオンを演じたホアキン・フェニックスは、『グラディエーター』にも出演していました。ザ・敵役。王子様。うまかったですね。王子は王子の劣等感がある。こういうひと、現代にもいるよなーという視線でも、『グラディエーター』は見る価値が高いかもしれません。
最近、見ましたら、ストーリーが非常に整理されていて、そのために伝わる質量がずどんと大きかったです。ヒロイン役のコニー・ニールセンが、典型的な美女すぎると感じましたが、古代のイメージでしょうか。主役は、ラッセル・クロウ。とくに若い時は、マッチョ、というイメージしか持っていませんでしたが、見ると、ちょっと可愛らしい、チャーミングさが光るように監督は撮っています。些細なようで、ひとを魅了するカギになっています。
こちらも、当然、群衆、そして戦いのシーンが迫力あります。えげつない風ではないのが、いい、と思うのは、わたしの年齢的なものでしょうか。
そんななかでの、『グラディエーター2』。
楽しみにしています。主役はポール・メスカル。『ノーマル・ピープル』で人気。あの、ナイーブに揺れ動いてしまう感情を隠すほかない青春役から戦う役に抜擢されるとは驚きです!
そして、わたしが楽しみにしているのは、ペドロ・パスカル。スターウォーズの『マンダロリアン』で、鉄仮面の男! ほぼ顔出てない俳優さんです。
顔が出ないのに、よく引き受けたなーという役なのですが。
なんだか、親しみがわく雰囲気なんです。
引っ張りだこのようで、HBOの『THE LAST OF US』の主演。原作ゲームのファンからも歓迎されるという、出世街道を急上昇しています。
リドリー・スコット監督が、彼をどんな役にしているのか、すごくたのしみ!!!
では、また。