【講義メモ】村上春樹『風の歌を聴け』主人公「僕」の意識・思考・価値観などについて
私が『風の歌を聴け』の中で特に注目を置いているのは、主人公「僕」の言葉に対する認識です。講義では「鼠と過ごした夜に飲み干したビールの量と空けたピーナッツの殻」の話や、「ある期間の間にしたセックスや吸った煙草の数」の話など、その幾つかが書かれている点が説明されていました。
「僕」がそうして数字に固執する理由として、後者のエピソードが語られた23章に、
「「僕」が三番目に付き合ったガールフレンドは彼のペニスを指して「存在理由(レーゾンデートル)」と呼び、それから人間の存在理由につ