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プラットホームの新しい歌と時間の中で



たくさんの拍手をもらった。音楽の鳴るライブ会場から、駅のプラットホームにある人の営みが見えて美しかった。誰かが歓声をあげて、僕は今の歌を歌って、この前までとは違う新しい時間を過ごした気持ちでした。

新しいアルバムを作ったリリースツアーの初め。大阪野田のMagaYura。僕のことを知っていた人と、僕を今日初めて知った人の両方の人たちがいてくれて嬉しかったです。僕にとっての船出のような日が、大阪の粉物の焼ける匂いのする街の、狭い階段を上がったビルの3階の部屋。たくさんとは言えないとも小さな人の営みの中で始まって愛おしい気がしました。


歌を歌ったり、歌を聴いたりして時間を過ごすことが人生の中にある人。


そんなにいつもすべてが順風満帆に行くものでもない。新しいアルバムを作った。そのリリースツアーっていうものがなんなのか、僕はまだよくわかっていないのかもしれないなって思ったりもしました。ただの実演販売みたいにはなりたくないのと、作った自分の歌がちゃんと頭の中の想像を超えていってほしいなって思う。


新しい曲は幼いなって思った。だけど、愛おしいなって思った。人に聴いてもらうことに、怯えているなって思った。だけど、嬉しいって思った。


自分の音楽にとってのいいライブっていうのが何なのか、作っては披露して壊してまた作ってを繰り返して、僕は何のために?って思ったりもした。

分からないことがたくさん出てきたけれど、これはきっととてもいいことだから、ゆっくりやっていきたいって思った。飲み込んだ新しい粉が溶けるのを待ちたいなって思った。


このツアーのゴールは一つ決まっていて、来年の3月8日の名古屋鶴舞K.Dハポンで演奏することが、ずっと遠くのような先にある。放っておいてもその日はやってくるけれど、どうなれるのかも、どんな気持ちを辿っていくのかもわからないから、怖くて不安でとても楽しみ。

それまでには11本のライブがある。ライブは毎回のように観る人にとって、その日のステージが僕だと決めるものだから、今日もそうだったけれど、そのときにある妥協のなかった自分でいたいなと思う。そしてまた少しずつ違う自分になりたいです。


足を運んでくれたお客さんと共演をしてくれたミュージシャン、企画運営をしてくれたMagaYuraのスタッフのみなさん、ありがとうございました。

頭がくらくらするような大阪の街の下にいても、ちゃんと守られた場所で、醸成を繰り返すようにふつふつとした時間を過ごすことができて楽しかった。


次のライブは、11/23(土)の東京。昼は下北沢HALF、夜は吉祥寺sutekinaに行きます。新しい曲をもってまた新しい時間を過ごしたいです。

それまでまたごそごそと作っては壊しを繰り返していくのだ。


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