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生まれて育ったところに音楽があったなら

なんだかとても楽しかった。

ステージにいた25分がとても楽しかったです。

こう思えたのは初めてかもしれないです。ジェットコースターに乗るように始まったら後は飲まれるのみだったような時間じゃなくて、海をまあまあのスペックのボートで漕ぎ渡るように楽しかった。


SWEET FISH TOWNの岐南CLUB ROOTSがすごく好きでした。足を運んで観てくださっていたたくさんのお客さん、ありがとうございました。たくさんいてくれて嬉しかったです。


僕はどれだけ誤魔化しても岐阜に住んでいるただの弾き語りだけれど、今日出演していた岐阜出身のミュージシャンがたくさんいて嬉しかったです。初めての人もたくさん観たけれど、同じ土地で、これだけ才をもった人たちがいることが嬉しかったです。どうかその全員で、お客さんを300人くらいソールドアウトできるようになりたいと思いました。


それにはもう少し時間がかかるのかもしれないけれど、めんどくさいくらいに僕は名古屋でも札幌でも東京でも大阪でもなくて岐阜で、田舎の岐阜でも、素晴らしい音楽が素晴らしい音楽としてみんなを楽しませられるような、時間を割いて足を運んでお金を払ってまでして観たり聴いたりしていたいと思われるようなものになれたらいいなと思います。

イベントを作る人でもお客さんでもない僕は、いい音楽といいステージをやることしかないのだけれど、自分の持ち場で、できるだけ正しい距離感で自分のやれることをやっていきたいなと改めて思いました。


僕はあまり岐阜でライブをしていません。その理由のひとつは、電車や車で1時間足らずで行ける隣の名古屋との単純な人口比率ですら圧倒的に名古屋の方が大きいからです。つまり、それは岐阜であまり人を集められる自信がないからです。でもいつか岐阜でも、たくさんの人が僕の音楽を聴きに足を運んでくれるような人になりたいです。


そのためだとしても、もう少し僕は、岐阜以外の場所で自分を磨く必要があるのだと勝手に思っています。


音楽をする目的は、人それぞれ様々で、もう僕はそのどれもをそれもいいよねとうなずけるくらいには大人になったつもりだけれど、やっぱり僕はもっとたくさんの人の前で自分の音楽をしたいし、お金を払って観たいと思ってもらえるようになりたいし、フジロックにもぜひ出てくださいと誘われるようになりたいから、そのためにできるすべてを自分の今の人生の上でしていきたいです。


そしていつかみんなとそれぞれがそれぞれによくやってきたよなとお酒を飲んで、終電だから帰るわってくらいの幸せにたどり着けたらいいです。


来週からは、新しく作ったアルバムのリリースツアーが始まります。11/9の大阪から翌年3/8の名古屋ワンマンまでのツアーだけれど、新しい曲とアルバムと僕がたくさんの知っている人やまだ知らない人のまだ知らない喜びになれたらいいです。

明日11/4からはサブスクリプションでのストリーミング配信、11/30からはCDの全国流通販売も始まります。2020年の3/8の終演後にどんな気持ちになっているか分からないけれど、今はまだ見ぬ土地へ向かう飛行機に乗る前の、プラットホームで青春18切符を握って電車を待つときの気持ちと少し似ています。


見えないことはいつも楽しい。それに音楽の楽しいところは、よくなかったらよくなかったで、そしてよかったらよかったで、人が気持ちをあらゆる形で僕に返してくれることです。傷つくことになよなよすることがあっても、それをずっとどうでもよくするくらいの時間をつくるためにも、今やるべきことをやっていたいです。


リリースツアー前に地元岐阜のSWEET FISH TOWNというイベントに出演できてとてもよかったです。なんだか後腐れなく、次へ向かう気持ちになれました。


初めましてとさよなら、またねの後の久しぶりの繰り返しがいつまでも続くものではないけれど、またぼくは生まれ変わったかのようにステージに立って自分の歌を歌いたいです。

今日はありがとうございました。
そして、これから、再会も初対面も、出会うみなさん、よろしくお願いします。

しばらくの後にまた。

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