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『あのこたちは、どこに』11(小説)
澄んだ、どこまでも青い空の下に雲を思わせるほどの真っ白いサツキが、葉の間からところ狭しと咲いている。
藤田風海は、マンションの2LDKの一室を借りて、「水仙」という名の団体から長身の高校卒業したばかりの女性の島川さんと無口な影の薄い大工だった花吉さんがここで働いてくれている。二人ともやや仕事の進み具合が遅いのには、風海も少し困っている。丁寧にはやってくれているので、風海は二人に対して「もっと早く仕事して」とは言わない。
といっても、これはビジネス。綺麗ごとを並べるわけにもいかない。求人サイトに載せる事にした。
アクセサリーの一品に対しての部品とチエーンやパールの数やペンダントトップの飾りの数が決まっている。そのワンセットを一人で担当する。
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