荒地盗人萩
これは何だか、わかるだろうか。荒地?盗人?特に家族の多いご家庭によく見かけると思います。
この前の休日、いい天気だったので出掛けることにしました。工業地区を抜けて真っ直ぐの道を歩いて15分。信号を渡ると、電車の改札口です。
その信号で、赤信号のため立っていると、学生さん二人も信号待ちしていました。後から中年のスーツ姿の男性が信号待ちしていました。ふと、私がその中年の男性の足もとを見ると、衣服の裾にくっつき虫がついていたのです。くっつき虫、いわゆる衣服に付く植物、三角が二つの形の。これが荒地盗人萩(アレチヌスビトハギ)という植物らしい。荒地に一気に広がる植物で形が盗人の足跡のようだという説と盗人のようにいつの間にか家に入っていることから来た説もあります。よく洗濯物に付いていたりしませんか? 家族が多かったりすると誰が付けて来たか分からないけれど、肌着に付いていて、これは洗濯した時に付着したのだな、こんなところまで。なんて思います。
そんな荒地盗人萩が、信号待ちをしているそのスーツ姿の中年の男性の衣服の足もとに付いていた。どうやって付いたのだ?なんて思う。
久しぶりに京都へ行った。二年坂を通って行く間の数々の店にインスタ映えするソフトがあって目移りした。天気が良く、紅葉の季節ということもあって賑わっていた。日が沈む頃に自宅に着いた。
玄関に入ってジャケットをハンガーに掛けた。部屋着に着替えて荒地盗人萩は付いていないであろう衣服を洗濯に出した。はたまた盗人のように付いているのだろうか。そんな荒地盗人萩が衣類に付く季節がやって来たんだな、と思う。