そんな日
カーテンを開けて、窓越しに外を眺めると、曇り空のようだった。
夕食の残りの照り焼きチキンと目玉焼きをトーストに乗せて食べている間に窓の外は太陽の陽が差してきた。
日が昇るのも少し遅くなっていると実感する。
出勤時間まで余裕の時間が出来たので、エクセサイズを少々してから、ゴミ出しをして車に乗って出勤した。いつもより2分早く出れた。
このところ渋滞で職場のいつもの駐車場が満車になってしまいそうになる。
いつもより2分も早く出たのに、この日初めて満車になってしまい、駐車したこともない少し離れた駐車場で停めることになった。
この日は、1人体調不良のため欠勤で、仕事が良く出来る方と二人で仕事をした。緊張しすぎて会話も出来ない。その方は、ミスが全くない。仕事中どんなことを考えているのか頭の中が知りたいくらいだ。一つのことが浮かんで、それの連鎖反応でどんどん想像が膨らんでいく私とは、大違いなのだろう。
2人でする作業も終わり、いつもの駐車場に向かってしまって車がないことに気づく自分がいる。習慣になっているとはいえ、恥ずかしい。遠くに置いてある駐車場の車に乗り、家に向かう。
いつもは青空が見えていた空は、グレー色の秋の空になって、対向車はスモールライトを点灯し始めている。
自宅で気がつくとYouTubeを2時間もみていた。
食事を作り、シャワーを浴びて食事をして洗濯物を干して『ハヤブサ消防団』のドラマをみたら1日は終わった。
猫もピアノの上で丸くなって寝ている。
廊下の扉を閉めるカチッと音がしなかったら、扉は開いていると分かるようで、うちの猫がいつの間にか扉の向こう側の玄関近くで、寝転がっていた。
さっきまでピアノの上で寝ていたはずが、いつの間にか玄関近くにいる。足音も首輪の鈴の音も聞こえず。
自分もそんな忍者みたいに動けたらな。けれど人間だと奇妙に思われるか、そんなことを考えながら、少し太り気味のうちの猫を抱えながら、廊下の扉を閉めた。
テレビで、阪神タイガースの優勝を知った。
そんな日。