三都メリー物語③
車が行き交う道路を挟んで商店街が並んでいる。電車に乗る前はどんよりしていたのに、ここに着くと晴れ間が広がっていた。平日だというのに人通りが多い。
やはり京都ということもあってこの時期紅葉を楽しむ観光客で賑わっている。人を避けながら商店街に沿うように歩いた。時々藤岡准教授は、レイを気にかけるように後ろを振り返る。
レイは人にぶつかりそうになるたびに藤岡准教授の腕をつかんだ。風があるが、歩いていると少し汗ばむくらいだ。おもむきのある和菓子屋さんや、扇子や手拭いや茶碗といった和のものを置いている店など入ってみたくなる。そんな思いで歩いていると、鴨川の上を歩いている。
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