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電子書籍派で物を減らしている私ですが、『プリンセスメゾン』を紙の本で読んで、あらためて紙の良さに触れました。デザイナー 視点からみて感動した【紙質】の作品イメージに与える影響の大きさを語ります。

断捨離で物を減らしまくっています。
不思議なもので、減らしたら減らしただけ「あれ、そういえばこれってなんで手元に残していたんだっけ?」と感じるものが増えてきました。

ある程度ものが減ったからこそ初めて見えてくるものがあると、ひしひしと感じています。

特に紙関係のもの……本、雑誌、書類は可能な限り電子化しているところです。

漫画類も天井まである本棚がいっぱいだったのですが、かなり厳選して、電子版を買い直しています。

そんな中、ひょんなことから『プリンセスメゾン』を紙の本で購入し、読みました。

そして、紙の本であることの感動を、改めて実感しました。


ドラマにもなった作品ですが、私は未視聴でしたので、前知識なしに読み始めました。
そして、すぐにこの作品が好きになりました。

作品の内容についてはたくさんの方がレビューをされていると思うので、私はデザイナー視点から単行本に使われている紙の手触りについてご紹介したいと思います。

実はこの作品はウェブ連載だったそうです(現在は完結しています)。

非常に柔らかいタッチで繊細に描かれており、ストーリーの中でも伝わってくる人間の優しさが滲み出たような、素敵な絵柄です。

私が書店でふとこの本を手に取ったのは、単行本の紙の質感と絵柄が絶妙にマッチしていたからです。

本当に、何も意識せず、無意識に手を伸ばしていました。

ウェブ連載されていたものですので、電子書籍版で読んだとしても何の違和感もなく楽しめるはずです。

それが紙媒体を経由することにより、キャラクターやストーリーの優しさを、無意識のうちに伝える役割を、この表紙に使われる紙が一部担っていると感じました。

この表紙がもしコート紙のような光沢のある紙で作られていたら、第一印象が異なるものになっていたかもしれません。

ブックデザイナーの仕事はロゴを作ったり文字を配置するだけではありません。

作品の本質を見抜き、紙の質感・出ざわり、仕上げまで担当することが多々あります。

私も隅っこの方でブックデザイナーの仕事をさせていただいておりますので、こんな作品の魅力を無意識に丁寧に届ける素敵な仕事をしたいと思いました。


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