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礼儀正しさが大切〜ベトナム語の「あなた」と「私」

おび はるです。


外国語でも母国語でもそうですが、
礼儀正しさ・丁寧さって
とても大切じゃないかと思います。


どんなに流暢な言葉でも、
最初からタメ口だったり、
(友人関係ならアリかもしれないですが)
態度が悪かったりすると、


助けてあげたいとか、
仲良くなりたい、という気持ちが
萎んでしまいます。


信頼関係を築いていくためにも、
相手が不快に思わないような
言葉遣いをするのは不可欠ですね。


で、その「丁寧さ」「敬意」をどうやって表すか。
言語によって、ポイントが違います。


日本語の場合は敬語を使うのが大切ですよね。
色々ありますが、まずは、
語尾を「です」「ます」にするとか、
名前に「さん」など敬称をつけるとか。


さて、ベトナム語の場合。
相手と自分を
「いかに適切に呼ぶか」が、
まず大切です。


というのも、ベトナム語は
「あなた」と「私」の呼び方が
相手との年齢差や関係・
社会的地位によって
変わるんです。


英語だったら I と youでおしまい、
日本語なら、
「私」と「○○さん」で大体解決、ですが、


ベトナム語の場合、
家族関係に置き換えて呼ぶので、


例えば相手が年上
(マックス15歳差程度)の男性の場合、
相手はお兄さん(anh=アイン)で、
自分は妹・弟(em=エム)。


逆であれば自分がお兄さんで
相手が弟・妹になる。


年齢差によってお兄さん・お姉さん、
叔父さん・叔母さん、
伯父さん・伯母さん、
おじいさんおばあさんなど、
呼び方が変わるわけです。


そしてその度に自分の呼び方も変わります。


これだけでも相当ややこしいですが、
これに加えて、相手との関係や職業・
社会的地位によっても呼び方が変わります。


相手が先生の場合は、年齢差は関係なく
先生(男性ならthầy=タイ, 女性ならcô=コー)と
生徒(em=エム、南部ならcon=コン)
ですし、


恋愛関係・若しくは夫婦関係なら
男性はお兄さん (anh=アイン)、
女性は妹(em=エム)。
これまた年齢差は関係ありません。
女性が年上でも、同い年でもこの呼び方です。


私なんかは、恋愛関係にある相手と
「お兄さん」と「妹」という呼び方になってしまうのは、
関係が上下位に固定されてしまう気がして
やや納得がいかない気持ちもありますが、



ベトナムの人・特に男性はこの呼び方が好きな気がします。
相手が若い女性であれば、
年齢を確認する前にとりあえず妹(em=エム)と呼んでみる。


それで、
「あなた何歳なの?なんだ、私より年下じゃないの!」
なんて返しても、


「同い年か、1歳差程度だったら
お兄さんと妹で大丈夫なんだよ!」
なんて、謎理論を展開されることもあります。


多分、お兄さんって呼ばれたいんでしょうね。
呼び方だけですが、
ちょっとロマンチックになれるんだと思います。


他にも、同い年同士の呼び方や、
相手と喧嘩中の時の呼び方、
首相など地位の高い人の呼び方、
その奥様の呼び方などもあり、


また、家族関係も複雑で多様…というより、
広い範囲を家族・親戚とみなして親しく付き合うので、


日本ならもう呼び方がわからないような関係の
親戚・家族でも、決まった呼び方があったりします。


こういった原則に加えて、
本人の好みもあり


(例えば、同じ15歳程度年上の男性でも、
お兄さんと呼ばれたい人と
叔父さんと呼ばれたい人が
いるらしいです…


私の経験では、お兄さんと呼ばれたい人が
大半、という感じですが)


相手をなんて呼んだら良いか、は、
外国人だけでなく、ベトナム人も
とても神経を使っています。


適切な呼び方をできないととても失礼ですし、
相手に嫌われてしまうこともありますし、
呼び方が決まらないと、
会話する上でも不便です。


これは、日本語でも同じかもしれないですね。


なので、初めて会う相手には、
なんて呼んだら良いか、最初に尋ねるのが一番。


仕事で地位の高い人に会う場合など、
本人に会う前に秘書や部下の方に
会うようなことがあれば


「何て呼んだらいいか?」
を事前に相談したり。


そういう機会がなければ、会話の冒頭に
「失礼ですが○○とお呼びしても良いですか?」
「なんてお呼びしたら良いでしょうか?」
なんて尋ねたりします。


また、ベトナムの人は相手の年齢をよく尋ねますが、
それも、ただ興味があるから、
とか、尋ねても失礼ではないから、
というような理由に加えて、


呼び方を決めるため、
という、とても現実的な理由があります。


なので、年齢を尋ねた後に
「じゃあ、私は○○歳だから××って呼ぶね!」
と会話が続きます。


面倒ですが、その相手に合った呼び方ができると、
関係作りとしては大きな第一歩。
会話も盛り上がりますし、
親しみも湧いてきます。


見方を変えれば、別に血の繋がった家族じゃなくても、
そこら中にお兄さんやお姉さん・妹や弟が
たくさんいるっていうのも楽しいかもしれないですね。


呼び方ひとつで、グッと親しくなれるような気がします。

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