おばあちゃんとかき揚げ
「おばあちゃんのかき揚げなんて食べたくない。どうせベチャベチャなんでしょ」
中学生ぐらいのころ、おばあちゃんに言った言葉だ。
両親は共働きだったので、駅から自宅までの送り迎えはおじいちゃん、夕飯の準備はおばあちゃんの役割だった。今となってはなんて甘えた中学生だと思いたくなるが、当時はそれが当たり前だと思っていた。そして、思春期だったこともあってか、何かと反抗していた。
食べたくないと言った瞬間、普段はなかなか怒らないおばあちゃんが拗ねてしまって、そのまま寝室に入ってしまっ