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【虹だって、大雨のあとに空に架かるのだから】
空にかかる美しいアーチを呆然と眺めながら、この橋を渡れる日を朧気に夢見た。悲観的な気持ちではなく、どこまでも抜ける青空のように晴れ晴れとした気持ちで、その”いつか”がくるまで生きようと思えた。
5月の空にかかった、大きな虹。幾人もの人たちが空に向けてスマホをかざし、シャッター音を鳴らしていた。私もそれに倣い、同じように虹を切り取った。カメラロールに残った画像は本物の美しさには到底及ばず、それでも充分すぎるほどに、私の心を晴らした。
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空と心はよく似ている。するすると色を変え、匂いを変え、質感を変える。要因は様々あれど、常に一定であることはない。晴れ渡る空でさえ、雲は流れる。時間帯で変わる青のグラデーション、雨雲が漂いはじめた薄曇りの空、季節ごとに変化する雲の形状。四季のあるこの国は、とりわけ空の変化が多彩だ。それに伴い、人々の心も揺れる。ころり、ころりと、明るいほうへ、暗いほうへ、静かなほうへ、賑やかなほうへ。自らが望む、望まないに関わらず、その景色は様相を呈す。
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