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Always

Bon Joviの曲が低音量で流れている。聞き慣れた旋律が、聴覚を通して私の体内に流れ込む。

それまで知らなかった音楽との出会い。それにはいつも、人との出会いが密接に絡み合っている。


「俺、この曲めっちゃ好きなんだよね」

そう言って、慣れた手つきでミュージックコンポにCDを差し込む。ジーっという音を立てながら、ディスクが吸い込まれていく。その光景を私は、ベッドに腰かけながらぼんやりと眺めていた。


行為の前に音楽をかけるのは、もはや儀式に近い。無音のなかでしたことがないわけではないが、何かしらの音楽が流れる空気のなかで重なり合うことの方が圧倒的に多かった。

Bon Joviが好きな人と肌を重ねるとき、いつも流れていた曲がある。
「Always」というラブバラード。唇に舌が差し込まれるタイミングが、いつもサビの少し手前だった。私より一つ年下のその人は、惜しみなく私に愛の言葉をくれた。

「好きだよ」

低く囁く彼の吐息が、そっと耳にかかる。そこから先は、正直あまり覚えていない。


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