岩波明『発達障害』(文藝春秋、2017年)
■要約大人の発達障害について歴史的過程や実証データ、具体的人物例を多く参考に書かれた本書。
主に紹介されるのは、発達障害の代表ともいえる、ASD(自閉症スペクトラム)とADHDの2つ。
現代の発達障害について、犯罪報道が過熱したことなどもあり、一般人の間でも非常に認知されたものであるといえる。その一方でそれが正しく理解されているとはいえない現状があると指摘される。
しかも一般人だけでなく、専門家あるいは精神科医師でも診断を誤る。正しくその概念を把握している人は限られている。