会話のキャッチボールで大切なこと【非言語コミュニケーション】
こんにちは!はるねずみです。
「会話」って、よくキャッチボールにたとえられますよね。
耳にタコができるほど聞いたことのあるフレーズですが、今日何気なく見ていたニュース番組で、それを改めて感じる場面がありました。
その番組では、複数の時事ネタにかみつきながら、男女二人が司会進行し、リモートでゲストを迎えて意見を聞く、という流れでした。
(ちなみに、私はこの番組を見たのは今回が初めてであり、この一回の放送かつ短時間の視聴に基づく印象をもとに話していきます。)
ゲストが自由奔放に面白おかしく意見を述べるのですが、それに対する司会者二人の反応に私は「温度差」を感じたのです。
司会者二人と言っても、主な進行役はジャーナリストの女性(60代)で、もう一人はそのアシスタントのような立ち位置の30~40代の男性でした。
相手の話を聞く態度
ゲストの発言次第では、女性も都度リアクションされていたものの、話を聞いているあいだは、基本的に「真顔」で落ち着いた声のトーンで相槌を打ちつつ、話を聞いていました。相手の出方を冷静に伺っている感じ、でしょうか🕵
一方、男性は、笑顔をキープしながら、口はやや半開きで、相手がいつ面白いことを言っても瞬時に反応できるような状態で、相槌を打っていました。ちょっと例えが良くないかもしれませんが、飼い犬がボールを持った飼い主を見つめてハァハァ息をしながら「早く投げて!」と興奮しているような、そんな感じです🐶
これはもちろん、番組の性質上、あえて司会者のキャラクターに違いを出しているのかもしれません。
なので、今回はこのお二方の人間性についてどうこう言うわけではなく、あくまで一般的な例として取り上げ、お話しさせていただきます。
私は、この二人の「聞く態度」を観察しながら、自分ならどちらが話しやすいと感じるかな?と考えました。
そしてすぐに「男性の方だな」と思いました。
言葉と言葉のキャッチボール
ではなぜそう思うのか?
冒頭の「キャッチボール」の話に戻ります。
会話のキャッチボールというと、”相手の発言にたいしてどんな言葉を投げ返すのか”とイメージされる方が多いと思います。
たとえば、こんな感じです。
相手の投げてくれたボールをどう受け止め(意味の解釈)、どんなボール(言葉・リアクション)を投げ返すのかによって、会話のキャッチボールが続く・弾むかどうかが決まるんですね。
これはわりとわかりやすいと思います。
相手の対応力や、お互い「続けたい」という意思があるかどうかにもかかっていますが、最悪「無視」さえしなければ、キャッチボールそのものは続けられるかもしれません。
キャッチする準備はできている?
お互いの人柄についてある程度知っている、あるいは会話をするのが初めてでない場合は、「自分がこう投げれば、相手はきっとこう返してくれるだろう」となんとなく予測できると思います。
すくなくとも、「無視されるかされないか(受け止めて返してくれるか)」の判断はつきます。
けれど、まだよく知らない人同士、あるいは初めて話す相手の場合、まずその時点から探ることになります。
これは、ボールを投げる側の立場に立って考えるとわかりやすいと思います。
準備OK!とわかる態度
上の絵のハムスター(左)の例です。
その場で足踏みをしたり、反復横跳びのような動きをしながら、こちらに真っ直ぐ目を向けて身構えています。ボールの飛んでいきそうな方向をしっかりと見定めている感じです。
この場合は、よほどボールが変な方向に飛んでいかない限り、「キャッチしてくれそうだ」と信頼できるはずです。
準備OK?と不安な態度
上の絵のうさぎ(右)の例です。
ボールに視線を向けてはいるものの、直立不動で「気を付けの姿勢」を取っています。
この場合、その人の手の届く範囲に狙いを定め、その通りにボールを投げることができればキャッチしてもらえるかもしれません。ただし、その位置から動く必要がある場合には、直立不動の体勢からは咄嗟に反応できない可能性もあります。
そうすると、「投げても大丈夫かな?」と不安になると思いませんか?
「成立」の前に「楽しい」かどうか
会話のキャッチボールは、言葉に対して言葉が返ってくれば、一応は「成立」と言えるかもしれません。
ただ、それが楽しいかどうかは一概には言えないと思います。
たとえば、私がどんなときに「この人と会話していて楽しいな」と感じるかというと・・・
・相手が自分と同じ温度感で聞いてくれている
・狙ったリアクション(表情・感嘆など)を返してくれる
・目を見て前のめりで聞いてくれる
相手がこういう態度をのとき、「自分の話に興味を持ってくれている」「楽しいと感じてくれている」「真剣に聞いてくれている」と感じられます。
このとき、「言葉」のキャッチボールの有無は問いません。
先ほど「キャッチボール成立」の例に出したような、言葉のやり取りがなくてもいいんです。
ただ、「うん。・・・うん。」と相槌を打ってくれるだけでも「へぇ~!」「ええっ・・・」「あぁ~・・・」と、自分の話す内容に応じたリアクションをしてくれればいいんです。
もっと言うと、びっくりしたり涙を流したり、一緒になって怒った顔をするなど表情を変えてくれるだけでも、”その人がどう感じているのか”を示してくれれば、十分コミュニケーションは成立していると感じられるんですね。
ただ、これらが「投げてみるまでわからない」状態だと、不安になったり緊張してしまうんですよね。
だからこそ、「受け取るまでの間、どんな態度を相手に見せるか」もとても大切だと思うんです。
これはわざわざ言葉にして伝えなくても、相手の聞いているとき、自分がどんな態度・表情でいるかで伝えることができます。
そうした態度を取ることによって、相手を不必要に緊張させたり不安にさせないことで、自分と話すことを「楽しい」と感じてもらえると思います。
聞き手は話し手の「鏡」になろう
これまでの話をまとめると、こういうことだと思います。
会話をするときには、話し手が伝えようとしている内容(ボールを投げる方向)を予想しながら、聞く態度を整えて、即座に反応できる準備をします。
話し手が楽しい話をしているときには、聞き手も「楽しい」と伝わるように笑顔で、明るい声で相槌を打ちます。
真剣な話をしているときには、聞き手も姿勢を正して一点を見つめ、「真剣に聞いている」と伝わるようにします。
ここで、相手の態度と自分の態度がズレてしまうと、キャッチボール(非言語コミュニケーション)がうまくいかない原因になってしまいます。
相手が真顔で真剣な話をしているのに、自分がニヤニヤしながら「うん、うん、それで?」などと前のめりに話に食いついたりすると、いくら「関心を示している」と伝えたくてそうしているのだとしても、相手には「まじめに聞いてるの?」と怪訝に思われてしまうかもしれませんよね。
(と言いつつ、私はよく「笑ってはいけない場面で笑ってしまう」ということをやらかしてしまうのですが・・・)
相手の表情・声の調子・息遣いをよく観察しながらまずは「聞いているときの態度」を、相手のそれに合わせるんです。
相手の「口調をまねる」とかもその一つですね。普段の自分とは少し違っても、語尾を合わせたり、流行りの言葉を使ったり、相手との「共通言語」を意識します。相手と同じ温度感に、自分を持っていくというか・・・
こうすることによって、相手のテンションの上がりや下がりに合わせやすくなるんですよね。すると、それに合わせた言葉やリアクションも自然と出てくるはずです。
それは、相手に失礼がなく適切なコミュニケーションが取れるという意味で、自分にとってメリットであると同時に、相手にとって「欲しい反応を返してもらえた!」「話がしっかり伝わった」「受け止めてもらえた」と喜んでもらえるメリットもあると思うんです。
さいごに
ニュース番組で司会者二人の「聞く態度」の違いを見て、感じたことを話してみました。
対人関係で悩んだり、「考えすぎ」で疲れてしまうような私の考えなので、あまり参考にはならないかもしれません。
というより、ここまで考えて人と接しているから疲れてしまうのかもしれませんよね・・・(;´∀`)笑
それでも、相手が自分と同じ温度感でいてくれているとき、私は楽しいと感じることができ、安心もできます。
だから、自分が話を聞いているときには、相手にも同じように安心してほしいですし、楽しく自然体で話してもらえたらと思うんです。
言葉の多い少ないにかかわらず、こういう「気持ちのキャッチボール」ができるとき、すごく幸せです。
というわけで、長々とえらそうにテクニックもどきを語ってしまいましたが・・・
その番組の男性の態度を見て、「素敵だな!」「こんな人と話したら楽しいだろうな!」と感じたので、私も改めて意識したいなと思ったのでした(*´ω`)