はるねこ

音大卒27歳。某y振興会所属の作曲家兼サックス奏者。3歳からピアノやってますが未だ下手くそ。大学ではサックスと指揮を専攻。最近は専ら作編曲。音楽その他雑多に喋ります。

はるねこ

音大卒27歳。某y振興会所属の作曲家兼サックス奏者。3歳からピアノやってますが未だ下手くそ。大学ではサックスと指揮を専攻。最近は専ら作編曲。音楽その他雑多に喋ります。

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宇多田ファンが語る宇多田ヒカルを浜崎あゆみが歌うこと。

 あなたには、かけがえのないアーティストがいるだろうか。この人の曲を聴くとあの頃を思い出すとか、この曲があったから頑張れたとか。私にとっては宇多田ヒカルがそうである。サブスクでいろいろ聴き漁る今日この頃だが、私にとってのベストアーティストの地位は揺るぐことはないだろう。  私が宇多田ヒカルを聴き始めたのは中学3年生の高校受験の時だ。当時、クラシックとジャズしか聴かない硬派な中坊だった私は、受験勉強のお供に母のiPodを拝借して、初めて能動的にポップミュージックを聴き始めた。

    • 【名盤紹介】今だからこそ聴きたいプログレの金字塔『Tarkus』

       どうも、はるねこです。 今回はプログレ四天王から、Emerson,Lake&Palmerの名盤『Tarkus』のお話をします。   Emerson,Lake&Palmer(以下ELP)といえばプログレッシブ・ロック界のスーパーバンドで、それぞれ結成前のバンド活動から名声を得ていたキース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーの三人が1970年に結成しました。  各々のファミリーネームをバンド名にしたELPは活動前から注目され、日本でも大変な人気がありました(私

      • 【名盤紹介】稀代のジャズピアニストの祖国を想う 『Luys I Luso 』

         どうも、はるねこです。 今回の名盤紹介は、ティグラン・ハマシアンの『Luys I Luso』というCDのお話をします。   皆さん、ティグラン・ハマシアンというピアニストをご存じでしょうか。ティグランは1987年生まれのアルメニアのジャズピアニストで、19歳の時にジャズコンペの登竜門ともいわれるセロニアス・モンク・ジャズ・コンペティションで大賞を受賞した若き名手といえるでしょう。  ジャズをよく聴く方ならご存じの方も多いと思いますが、ジャズ以外にも今年9月に公開された

        • 【名盤紹介】 現代音楽作家、新垣隆『交響曲《連祷》-Litany- 』

          新垣隆:交響曲《連祷》-Litany-  どうも、はるねこです。  今回は名盤紹介記事ということで、新垣隆氏のCD、『交響曲《連祷》-Litany-』についてお話します。     私が作曲家新垣隆氏を知ったのは、件のゴーストライター事件がきっかけでした。当時の私は音大受験を控えた乳臭い青年で、この騒動に対しても人間に罪はあれど音楽に罪はないという無垢なスタンスでした。音大を卒業した今でも、私の音楽に対するスタンスは変わっていなくて、罪を犯した人の音楽が必ずしも悪にはなり

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          amazarashi《無題》の歌詞から見える世界

            amazarashiというアーティストをご存じだろうか。実直な歌詞で世界を構築し、哀愁を帯びた声でメッセージを届ける、不思議な魅力を持つアーティストだ。テレビなどのメディア露出こそほとんどないが、近年ではタイアップも多く、凝ったライブの演出などもあり、かなりの人気を誇る。今日はそんな彼らの魅力を「歌詞」の観点から少しだけ考えたい。  amazarashiは素顔を公表していない。名前や出身地こそ公表されてはいるが、経歴などは多くは語られていない。しかし、彼らの人柄や考え方

          amazarashi《無題》の歌詞から見える世界

          芸術と大衆の間

           創作活動は時には芸術であり、時には娯楽である。創作者は常に、その芸術性と商業性の折り合いに苦悩することになる。重要なのは、創作者自身の芸術性と作品の商業性を上手く摺り寄せることにある。  人類の歴史を振り返ってみると、芸術作品や物語は遥か昔から作り続けられ、人間の生活とは切っても切れない存在である。創作物は人類の文化そのものだ。人々は日々創作物を享受しながら生活している。  しかし、全ての創作物が芸術的価値を持っているかというと、そうではない。クラシック音楽などの芸術だ

          芸術と大衆の間

          音楽と形式と「聴いたことある」意味の話。

          ソナタ、ロンド、リートなどなど、クラシック音楽に存在する形式。クラシック以外でもポップス、ロック、ジャズにも同様に、形式はあらゆる音楽に存在している。では単純な疑問として、何故形式が存在するのだろうか。  第一に考えられる理由は、作曲家が楽曲を書きやすいからだ。形式が存在していれば、作曲家はアイディアや閃きをその形式に落とし込み、楽曲は完成させられる。簡単に言ってはいるが、もちろんそんなに容易い話ではない。しかし、形式の有無によって、その労力は大きく違ってくる。昨年映画が作

          音楽と形式と「聴いたことある」意味の話。