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プロローグ(2023年初夏: 運命の出会い)

マンションのネット広告の片隅に載っていた小さな写真に目を奪われた
マンションの詳細ではない箇所を拡大して見たのは私くらいだろう
とても好きな雰囲気の街並みだった
偶然にも家から徒歩圏内だと分かり心が疼いた

翌日に母の命日を控えた2023年7月2日、ふと思い立ち、お墓参りの前に行ってみることにした
雨女の私にはめずらしく良い天気

その場所に足を踏み入れた瞬間、全身が一瞬にして浄化される感覚と、この場所で私の夢を叶えたいという熱く強い想いが一気に込み上げた

自分の夢を叶えるためと意気込み、引き留めてくれた上司の手を振り解き、誰が見ても安心安全で安定した職場を離れる宣言をしたにも関わらず、夢の大海原に独り飛び込む勇気を結局持てなかった私は、とある出会いを通じて同じ業界の小さな職場に転職した
私はどこに向かっているのだろう、私の人生はどうなってしまうのだろうと自問自答する日々
それでも目の前のことはちゃんとやらねばと毎日がむしゃらにもがいていた

そんな日々の中で見えた一筋の光
運命だと思った
母がこの場所に導いてくれたのかもしれないと...

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