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母と娘の再構築5-留年?退学?の不安を消していこう

たった3泊4日の家出から帰ってきた私。
その後も鬱状態となった娘は学校に行くことはできず、そのまま冬休みに突入。
うつ状態かつぎくしゃくしてしまった娘と年末年始をずっと過ごすのはきついのが本音。
ですが、娘二人を連れてコロナ禍で長いこと会えなかった祖母の元へ帰省しました。

娘、どんな状態になるかなぁと心配していたのですが、田舎ののんびりした空気、そして陽気で思いっきり甘やかしてくれる祖母のもとで、ニコニコと過ごしていました。
実は娘、見た目がけっこう派手でして。ど田舎の保守的な祖母が見たらびっくりするんじゃないかと思っていたんです。否定的なこと言われるかも?と。

ところが元ヤンキー気質漂う叔父は娘を見て
「かっこええやん!」
それを聞いて祖母は
「いやぁ最初見たとき、私びっくりしとったんやで!」
と朗らかに笑う。

そんな感じで派手な見た目の娘を否定することなく、叔父なんて短い言葉でさくっと肯定してくれたのが本当にありがたかった。
そして祖母はとにかく娘二人を甘やかしてくれました。
「かわえぇなぁ」
「お小遣いやるかんな。好きなように遣いぃ。」
「なんでも食べたいもん言うてや。」

私の両親は真逆です。
見た目が派手なら「そんな見た目ちょっとどうなの?」とチクリと言い、ケチなのでお小遣い気前よくあげることもなく、言う事言う事すべて否定で返す。
だからこの状態のときに娘と私の両親を会わせていたら、メンタルは悪化したでしょう。

親はどうしても「しつけをしなきゃ」「金銭感覚を育てなきゃ」など、責任があるから無尽蔵に甘やかすことはできない。ましてや私、シングルマザーで毎月カツカツだし。
だからこそ、こんなふうに徹底的に甘やかして好きなことをさせてくれる存在が母娘ともにありがたかった。
もうね、子どものことは親が考えて悩んでやってるから、周りはこのくらい無責任でいいんです。

冬休み中は「みんな休み」。
というわけで学校へ行かねば、という強迫観念からも自由になり、また地元を離れたことで気分転換にもなり、割と穏やかに過ごせました。遠くに行く、はありですね。

そして地元に帰ってきて三学期。
学校へは・・・行ったり行かなかったり。
うつ状態は回復しませんでした。

毎日何が辛いって、欠席したとしても心は休めていなくて、
「学校に行かなきゃならない」という思いを抱えて日中を過ごすわけです。
そして高校生の辛いところは「学校に行かなければ進級できない」ということ。
何度も言いますが、これが小中の不登校と大きく違うところです。

学校行かなきゃ留年しちゃう。
留年することになったら通信制に転校?
それは不安、でも行けない。

こんな思いをグルグル抱えながら欠席するんだから、心は休まらず回復するわけもない。

というわけで、この不安を消すためにできることを母はすべてやりました。

1,診断書の提出

医師に診断書を出してもらうことで、単位について温情措置が取られる場合があります。これは学校とか校長先生次第というところもあるようですが。
「うつ状態で休養が必要」という旨の診断書を提出しました。

2,学校側から具体的にあとどのくらいまで欠席できるのか、の情報をもらう。


あと何日までは大丈夫なのか明確にして、じゃあこの科目の日、この科目の時間だけ出席しよう、など戦略を立てる。

3,通信制高校の情報収集


今の高校を続けたほうがいいのか、それとも転校したほうがいいのか。
娘は決断ができない状態でした。うつ状態のときに決断なんてできません。
それでも色々とリミットは迫ってくるので、私が転校に備えて情報収集しました。通信制高校の学校説明会の日時、手続きのリミットなどなど。

4,入院の選択肢の提示


この状況では休まらん。ならば入院しよう。
入院したら、もう学校には行けない。体外的にも「◯◯さんは体調不良で入院しました。」とアナウンスしてもらえば、学校来てなくてもしかたないよね、となる。
かかりつけの精神科医も入院には賛成してくれました。

結局どうなったかというと、入院させてくれることになった病院で受診、検査も受けてさぁ入院するか!となったのですが、直前で娘に迷いが出てキャンセルとなりました。

入院したい気持ちは娘もありました。
理由は上記の通り、自宅にいても心が休まらないから。
でも一度入院したらその分欠席時数が増えてしまう、留年の危機が高まる。そこがネックになりできませんでした。
今の学校を諦めきれなかったのでしょう。

結局、完全回復にはなりませんでしたが、
「諦められない」の気持ちのせいなのか「留年が怖い」の気持ちが勝ったのか、最後の最後に頑張り、試験も受けて、診断書効果もあり娘は無事に進級が決まりました。

できることはすべてやりました、と書きましたが、もう一つ私がやったこと。

5,話を聞くこと、安心させること。


ときに高校生の娘と添い寝までしました。
添い寝して、泣いている娘の背中をさすって、話を聞いて。
ほとんど寝ないで仕事に行く日もありました。
この話を聞く、いわゆる「傾聴」。
傾聴は、アドバイスはしない、相手の言葉を繰り返す、というのが有効と言われます。

私はまず聞いて、そして具体的に安心させることを言うようにしていました。ときにアドバイス的なことも言っていました。

留年が不安と泣くなら、あと◯日は大丈夫だし、診断書も出した話とか。「休まらない、怖い」というなら、今しっかり休むことの大事さとか。

傾聴だけでいったほうがいいのか、アドバイスはしちゃいけないのか、はケースバイケースだと思います。人は教科書通りにはいかない。我が子の性格、状況を見て適切な対応をすればいいのだと思います。



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