香りに勝るものはない【毎週ショートショートnote|お題「誘惑銀杏」】参加記事
貼り付け記事以下、参ります。
イチョウの黄葉は、見るものの目も心も惹きつける。実のギンナンも炊き込みご飯やおこわ、あるいは茶碗蒸しに良いアクセントを与えてくれる。銀杏は誠に魅力的な樹である。
人々の口から口に伝わって、いつしか評判を呼ぶようになったとある銀杏並木があった。秋になると並木が形作る黄金のトンネルと、ハラハラと落ちて積もった金色のカーペット。そこを並んで歩くカップルが目立っていく。人の往来が、秋以外の季節の何倍も生じる並木であった。
「ねえ、今日はこれからどうするの?」
「どうするかな……夕飯には少し早いし、このまま暫く歩かないか?」
男女のやりとりが聞こえる。誘い誘われ、夕暮れから夜になるまで、心の駆け引きは続くのだろう。
二人の雰囲気が「いい感じ」になってきて日没が待ち遠しい気持ちが溢れ出しているように見えた瞬間、それは起こった。
ズルっ、グチャっ。
そんな擬音がピッタリのズッコケぶりで、男が転んだ。足下に落ちている銀杏が潰れ、それに足を取られたのだ。
「いやぁ……格好悪いとこ、見せちゃったな」
「...…匂う。クサイわ、あなた。とりあえず帰って着替えた方がいいわ。じゃあ、私はこれで」
取り繕うとする男を振り切って、女が去っていく。
臭い匂いは元から絶たねば、とナレーションするCMがあったが、それを地でいくような光景に、銀杏の木の枝が風に揺れ、イチョウの葉と銀杏が並木道の地面にまた落ちていった。
拙稿題名:香りに勝るものはない
総字数:609字
たらはかにさん、いつもお題をありがとうございます(毎回悩み書けないこともままあります💦お恥ずかしい次第です)。よろしくお願い申し上げます。
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