シルバームーンに香るミュゲ【うたすと2【課題曲】「ブーケ・ドゥ・ミュゲ」】より
青豆ノノさん作詩、PJさん作曲「ブーケ・ドゥ・ミュゲ」の世界観をお借りし、短編を綴ってみました。貼り付け記事以下、参ります。
【シルバームーン号、シャトルバスの乗車、本日最後となりました。出発カウンターまでおいでください】
ステーションの施設内で案内アナウンスが響いている。
人類が月へ渡航することが可能になって300年が経つ。最初は宇宙飛行士という特別な職業の人間だけが月に行くことができた。しかし、超高速空間移動方法が開発され、シャトル便で一般市民が「月へ行く」ことができるようになった。そして月は「遠い宇宙の星」ではなく「少し遠出をするレジャー」へと姿を変えていったのだ。
私は彼の手を取った。行こう、乗れなくなっちゃうよ。
そう言って引いた手がピンと張り、びくとも動かない。
「ここに戻って来たら、話、あるから」
彼はボソリとそう言った。独り言のように。
話って何?
いや、分かってる。
分かってるけど。
普通、そういうのって1番ムードが盛り上がった瞬間に告げるものじゃないの?月の沙漠とかロマンチックじゃない?なのに……地上に降りてからなんだ、そうなんだ。まあ……いいか、場所はどこでも。問題は内容。
そうして、運命の瞬間?へと私たちを運ぶシャトルバスに乗り込む。再びこの地上を踏むとき、その足取りと表情はどうなっているのだろうかと、互いに推し量りながら。
シャトルバスが月に到着する5分前を告げるアナウンスを流した。
♬銀色に輝くジュ・デュ・バーグ(Jeu de bagues)
先ゆくあなた 少し遅れるわたし
離れず追いつけぬ距離が
届く日は いつ訪れるのか♬
銀色の月が、透明な樹脂硝子越しにこちらを覗き込んでいた。
♬星降る夜に 数多の祈りが
煌めきながら 降りてくる
今夜は願いが叶う夜
ブーケ・デュ・ミュゲ(bouquet de muguet)
スズランの香りに包まれて♬
ミュゲ(鈴蘭)の香りがどこからか香ってくる。短い月旅行が終わり、私たちは地上に帰ってきた。
「話があるって言ったの、覚えてるか?」
彼が言う。
勿論覚えてる。待っていたのよ、私は。ロマンチックに流されてしまわない、私たちのこれからを誓う言葉を。
拙稿題名:シルバームーンに香るミュゲ
総字数:823字
※ヘッダー画像のロゴは企画さまよりお借りし、私がMicrosoftCopilotにて生成した画像と合成いたしました(*ᴗˬᴗ)⁾⁾※
よろしくお願い申し上げます。
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