春から冬への祈り【毎週ショートショートnote|お題【風を治すクスリ】参加記事
たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
いつの時代であったか。とある国、その冬に異変が生じていた。異変は一年では終わらず、数年続いていた。
冬であるから当然雪が降る。だが、その雪は地に落ちるとすぐに融けて消えてしまう。秋が終わり聖夜が過ぎて新しい年を迎えても、大地に白い色は拡がることがなかった。
雪が少なければ、一見過ごしやすい冬のようにも思える。なれど雪は水瓶でもある。冬が明け春が来て、夏が訪れるまでに、水涸れに苦しむであろうことは容易に察せられる。それが数年続けば、その恐れは増えるばかり。
北風の精霊、その体の不調が続いている。その定めに似つかわしくはない高熱が続き、下がる気配を見せない。
ハナミズキの精は、北風の精霊を敬愛していた。清冽な魂に憧れていた。梅の様な香りも、桜のような華やぎも持たぬ身を頼りなくもどかしく思いながら、ハナミズキはただ祈った。かの存在の安らかなることを。
時は過ぎ、秋は冬にその座を明け渡した。今年の冬はいつもと同じように雪が降り、冷たい風が雪雲を連れてくる、そんな冬の訪れであった。
“あなたの祈りは届きました。本当にありがとう”
北風の中、そんな声が美しい響きで聞こえるような気がする。そんな初冬であった。その続きは、またの機会にて。名もなき語り部はひとまず筆を止めることとする。
願いと祈りが薬に勝る、そんなお伽話を。
拙稿題名:春から冬への祈り
総字数:554字
よろしくお願い申し上げます。
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