つきのひかりに誘われて【シロクマ文芸部|お題「月の色」】参加記事
小牧さん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
月の色は、月の高度、月と地平線との距離によって変わるのだという。地表に近ければ赤やオレンジに、天頂に近づくと黄色になる。月は満ち欠けの形だけではなく、その色も変えていく。ネット検索にあたると、このようなカラフルな月を収めた撮影者に出逢うこともある。
カラフルな満月の「色」のコレクション あなたが思い浮かべるのは何色?(sorae 宇宙へのポータルサイト)
これほど鮮明で美しいものでは無論ないけれど、私も2017のスーパームーンを撮影した。ミラーレス機導入前、コンパクトカメラで撮影した平面的な月たちだけれど、月のウサギを捕らえることができた。
「あった、これだわ。画像荒いなぁ……」
ミラーレスを使い始めたのは、この写真を撮った翌年だった。構図は甘さ含め相変わらずだけど、望遠レンズに慣れた今では、コンデジの描写力、その弱点にまず目がいってしまう。
「そうか?あの小さな機種でクレーターを捉えているんだから、結構良いレンズだと思うけどな」
そう言って、雅也は1枚の写真をカメラのモニターに映し出した。彼のサブ機、コンパクトカメラの。
「俺も同じことを考えたという感じかな、これは。月が綺麗だと、露出とか光源の質とか、いじってみたくなるよな」
時間を変えて月の光、その色合いの変化を楽しむ。自然光、太陽光、白熱灯、蛍光灯といった設定で変わる月の色。月は見るものの心を写し取るように、その姿を変える。
まるで鏡みたいだね。
二人でそんなことを言い合って笑い合う、今年の名月が天頂高く昇っていっった。
拙稿題名:つきのひかりに誘われて
総字数:639字
よろしくお願い申し上げます。
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