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#なんのはなしですか ハッシュタグをお借りします。
コニシ木ノ子さんの記事に触発され、ノンフィションを元にしたフィクションを綴ります。
さて。以下は与太話。実際に起こったことなのか、それとも筆者の妄想なのか、決めるのは読者閲覧者の方々、そのお心のままに。
とある平凡な街に、平凡な夫婦が住んでおりました。平凡に見合いをし、平凡に結婚して、平凡に子育てをして。やがて子供は一人前となり巣立ちます。平凡な夫婦は老域となり、二人暮らしを始めました。
平凡なふたりです。取り立てて綴るような出来事など何もありません。朝起きて朝食を食べ、食器を片付け、掃除洗濯をし、昼を迎えて夜となる。日日三食を欠かさず、日々のルーティンを坦々とこなします。ただひとつ、この夫婦が他の家庭と違っていること。それは会話が皆無だということです。
まあ、それもあることですね、往々にして。日本の夫婦、昔気質の夫は妻を振り返らない。よくあることです、妻も特段気に病んだりはしておりません。
そんなある日のこと。夫婦は高齢なため高血圧などの疾患を抱えており、数ヶ月に1度の通院をしております。その日は夫の通院日でした。妻は夫に質します。
「お父さん。ちゃんとハンカチやティッシュは持ったの?保険証と診察券は?お薬手帳はバッグに入れたの?ちゃんと確認してよ」
矢継ぎ早に聞こえるでしょう、老妻の質問が。ですが、この夫、平素から「ああ」「うん」「……」が反応の全て。ゆえに妻の言葉ばかり目立ってしまうのです。
その日も夫は無言のまま。しびれを切らした妻は、夫のバッグを確認します。すると― ―
「ちょっとお父さん!保険証が入っていないわよ」
「……うん」
「…….何の『うん』なの?お父さんの『うん』は呼吸音のようなものだわ」
「分かってる。五月蠅いぞ、偉そうにおまえは」
夫が保険証を忘れること、これで30回目。ついに妻の堪忍袋の緒、それがプツーンと切れる音がしました。
「このぉ~ボケじじいが」
温厚な妻には珍しい乱暴な言葉が口を継いで出ました。この妻、傘寿越え。やるな妻。……いえ、これは余計でした、話を続けます。
乱暴な言葉を投げかけられた、こちらも傘寿、80才を越えた夫が返した答えは。
「ボケじゃない、『ボケ様』と呼べ」
……新しい日本語が誕生した瞬間をお伝えしました😂
それから、週に一度は実家に顔を出す娘も加わり、80才を越えた夫はこう呼ばれるようになったそうです。
「ボケ様。🍚はこのくらいの分量でよろしいですか?お茶の温度は熱くないですか?」by娘
以上、総字数1002、1000字エッセイギャグ風味、でした。
注意未満。この話はほぼフィクションです😁筆者である私は老夫妻と同居しておりますが、こうしたやり取りがあったか否か。それはご想像のままに(質問は受け付けておりません。←これもなんのはなしですか)
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