「カサブタ」がはがれるまで――書き仕事の日々16
昔ラジオを聞いていたら、誰かがインタビューに答えておられました。
「ぼくはそういう「カサブタ」を、人生に付けておきたくないんだよね」
なるほど、カサブタかあ。うまいこと言われるなあ。
未完のままの『ゲルマーニア伝奇』は、
私にとって、
はがれないまま残る、人生の「カサブタ」でした。
体調の悪い時期に、草稿のまま当時の公式ホームページに少しずつ上げ、
一応完結したつもりになっていました。
ですが、何年かたって、ある事情で偶然読み返したら、
手直しして、ちゃんと仕上げたくてならなくなりました。
まあ、このまま放っておいても、命に関わることはありません。たかがカサブタです。
でも、このカサブタを付けたまま、これからもずっと人生を送り、
カサブタ付きのまま、お棺に入って、
このカサブタといっしょに、煙になるんだなあ。
いやだなあ。
ありがとうございます。サポートして下さったあなたのおごりでゆっくりお茶を頂きながら、次は何を書くか楽しく悩みたいと思います😊