一つのせりふを書いた瞬間いきなりどぉんとふってきた一冊分のロマンス――書き仕事の日々19
港近くの居酒屋。二階は娼館。
主人公の青年は、先輩のガッシナさんに連れられ、どきどきしながら高級娼婦二人といっしょに飲んでいます。(こういう場所は、あきらかに初体験)
夜もふけ、そろそろ戻ろう、とガッシナ先輩。
実は、主人公は、ガッシナ先輩の上司の大事な一人息子なので、さすがにこのまま二階の娼館に上がらせるわけにはいかないのです。
それを聞いた高級娼婦。馴染みの客であるガッシナさんが、いつものように二階に上がり泊まってくれるものだとすっかり思いこんでいたので、落胆し、思わず小さな肩を落とします。
すると、高級娼婦を気の毒に思った主人公、いきなり自分の相方の娼婦の手をひっぱって二階へ。
残されたガッシナ先輩と、高級娼婦。
ガッシナさんが、ぼやく台詞が、なにかひとつあってから、
次の、主人公が娼館から勢いよく飛び出してくる場面に転換しよう。うんそうしよう、そう思って、さらっと何気なく書いたのが、次のせりふ。
ーーお前、ちょっと最近、おれに入れ込みすぎじゃないか?
その時でした。
天からどぉんと、このガッシナさんと高級娼婦の物語の一切合切が、私の頭の中に「降って」きました。
うわあ。この二人を書きたい。書きたい。さあどうする。
ありがとうございます。サポートして下さったあなたのおごりでゆっくりお茶を頂きながら、次は何を書くか楽しく悩みたいと思います😊