あさって会議:マーケティング勉強会第3回『高級食パン・生食パン』
2020年夏に開催されたグロービス経営大学院大学のオンラインカンファレンス『あさって会議』。
この中のプログラムでグロービスの卒業生が卒業後の課題感やキャリアなどについて語る『リーダーズ・ディスカッション』という場にありがたくお声をかけていただき、登壇させていただいた。
『リーダーズ・ディスカッション』といえば、チャレンジしている卒業生がグロービスに選んでいたくことが多く、この『リーダーズ・ディスカッション』に出ることを、卒業後の一つの目標にしている人も多いと聞く。
私自身も卒業したらいつか出たい!と思っていたが、卒業後3年経ってありがたいことにようやく!?選んでいただいた思い出深いイベントである。
さらにすごいのが、このプログラムを「一期一会」ではなく、勉強会としてコミュニティ化していることだ。これは、テーブルサポーターとして初期から引っ張っていってくれている『ぐっさん』の貢献が非常に大きい。ぐっさんにはこの場を借りて心からのお礼をお伝えしたい。
ぐっさんによるオーガナイズの元、ついに3回目のマーケティング勉強会を開催した。
ここからの内容は、私の勉強会で準備した内容と、振り返りメモなのですが、内部だけに留めておくのはもったいないなと思い、noteに公開することにしました。以下、参加者の皆さんへ共有した振り返りです。
①Courseraについて
Coursera(コーセラ)は、2012年の4月に、スタンフォード大学のアンドリュー・エン准教授とダフニー・コラー教授の2人によって設立されたMOOCs(ムークス)。
MOOCs(ムークス)とは、世界のトップと呼ばれる大学がオンライン学習講座を提供している教育プラットフォームのこと。Massive Open Online Coursesの略で、日本語では大規模公開オンライン講座とも呼ばれています。
オンラインで学位も取得でき、GoogleやSAPなどのIT企業も講座を提供しています。
今日はCourseraの講座の2つをご紹介しました。
A. グーグルUXデザイン プロフェッショナル認定
Noteの深津さんのTwitterを見て、ゴールデンウィークで最初の基礎クラスを一気に受講しました。
コース内容については、ユーザーblogでぜひ確認いただければ良いのですが、Googleという企業文化の強みが出ているとても秀逸な講座でした。
受講してよかったのは、Google社員のマインドを知れたり、UXデザイナーとして活躍する方の「ポートフォリオ」を見れたこと。
多様性を重んじるGoogleが改めて素晴らしい会社だということがわかったし、ユーザーエクスペリエンスを高めるための努力を全く怠っておらず、このように体系化された教育コンテンツが中にあるのは本当にすごい会社だなと思いました。
DXのHowの一つにオウンドメディアで情報発信する、ということは欠かせないことですが、デジタルマーケティングに関わる方は、デザイナーと会話する観点でこういうこと考えてるんだな、というのがわかるので、ぜひ斜め読みな感じで良いので受講いただければ良いと思います。
参考)ユーザーblog
1. Google UX Design Certificate - 2ヶ月目が終わったので、コースについてまとめてみた
2. Google UX Designプロフェッショナル認定を、受講してみた
B. AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座)
「Coursera」で世界60万人以上が受講した英語講座「AI For Everyone」に、日本のAI研究の第一人者・東京大学の松尾豊先生による日本向けコンテンツを加えたものです。
受講は無料。テストを受けてCourseraが発行する受講修了証を取得したい場合は49ドルかかるということです。
アメリカではこの講座を受けないとデータサイエンティストになれない!と言われているくらい共通言語化されているようで、パロアルト・インサイトCEOでAIビジネスデザイナーの石角友愛さんとお話しした時も、このアンドリュー先生の講座を受けた、とおっしゃっていました。
私は英語版のWeek1で止まってしまってるのですが(笑)時間ができたら全部受けたい講座です。
いきなりPythonとか、プログラミングに行くのはハードル高いなと思っている方は、ぜひ基礎的なことを学べるのでおすすめです。
②Pelotonについて
アメリカで熱狂する人が続出しているオンラインフィットネスの「Peloton(ペロトン)」。去年のコロナ禍で急激に売り上げを伸ばし、日本国内でもすごいビジネスモデルの会社があるとして一部有識者もペロトンペロトンと話していたことが記憶に新しいサービスです。
アメリカでは、AppleやTesla、Netflixと並ぶ革新的な企業として注目を浴びており、フィットネス業界のゲームチェンジャーとも言われています。
ペロトンのビジネスモデルは「SaaS Plus a Box」と呼ばれており、ハードウェア(トレーニングマシン)の販売と継続課金(サブスクリプション)を掛け合わせたモデルで、トレーニングマシンが自宅に届き、ユーザーは備え付けられているタブレットでコンテンツを選んでインストラクターと一緒にバイクを漕ぎます。
日本ではサービスを展開していないので、私はアメリカのApple IDで『Peloton App』に課金して使っているのですが、インストラクターと1:1で漕いでいる感覚と、画面の右側にあるユーザーが何分走っているか、などをみて、非常にモチベートされます。インストラクターは男女問わず非常にクールな人が多く、こんなふうになりたい!と思わせるようなカリスマ感が万歳。さらにはユーザー同士がハイタッチでコミュニケーションを取ることも可能で、自然とその世界に入り込むことができるのが、熱狂を生んだ一つの要因のようです。
日本ではFeel Cycleが同じようなビジネスモデルを導入しようとしてますね。
https://www.feelcycle.com/feelcycle_reserve_sp/feelcycle_hp/feel_anywhere/
また、シックスパッドも参入してきています。LIVE配信もしているようです。
https://homegym.sixpad.jp/
日本は家の大きさがアメリカよりも小さいので、ペロトンと同じビジネスモデルでどこまで需要が伸びるか?というのが少し懐疑的な部分はあります。正、コロナ禍において安全性を求めたり、会議と会議の合間ですぐ運動できるという利便性は魅力なので、伸びる傾向があるかもしれません。ただ、アメリカの場合はペロトン以前に暗闇フィットネスの「Soul Cycle」がセレブやインフルエンサーの口コミで広がっており、すでにインストラクターによるフィットネスバイクレッスンというのは非常に人気が高かったので、文化として根付いていた、というのもペロトンにとっては有利だったかもしれないなぁ、とこの文章を書きながら改めて思っていました。
参考)
1. アメリカのおうちフィットネストレーニングApp「Peloton」はただただ楽しい
2. 全米で人気沸騰中の「フィットネス業界のアップル」、じつはその正体は「巨大宗教」だった…!
③本日のテーマ:高級食パン・生食パン について
高級食パンというテーマは非常に興味深く、難しかったです。これは1時間じゃまったく太刀打ちできないテーマでした。
ただ、個人的になんで高級食パン買うんだっけ、って思うと、以下2つのことがあるのではないかなとふと思いました。
1. 失敗したくない、相手に好かれたい
「お持たせ」として使われることの多い高級食パン。アレルギーではない限りは嫌いな人はいないでしょうし、1本まるまる食パンを買う経験なんて大家族じゃない限りほとんどないので、もらった人は驚きと新しい体験へのワクワク感で、この体験をシェアしたい!と考えるのではないかと思いました。
一方で、「お持たせ」を準備する側としては、相手を考えて渡すので、できる限り失敗したくないし、持っていったものが相手に気に入られないというのはなかなかしんどいんじゃないかなと。そうなると、「毎日食べられやすいもの」であり「かつ自分からは買わない」というポジショニングにバッチリはまったのではないかなと感じました。
2. モテたい(≠トレンドを先取りしているかっこいい人と思われたい)
ある程度『高級食パン』の認知が高まってくると、テレビで見たけど近くにないから買ったことがない、という人も出てくると思います。そこにこの食パンを持っていくことで「ブームを知っている」「トレンドを押さえている」つまり、イケてる人認定されたい=モテたいという下心があるのではないかと思っています。高級食パンをちぎって食べるって背徳感もあるし、なんかちょっと"エロい"感じもあるので、うまく言語化はできませんが、人間の欲求みたいなところにバチーンと当てはまったんじゃないかなと勝手に思ってます。
取り止めのない感想文になってしまいましたが、ぜひ皆さんも「振り返り(笑)」ということでコメントあげてもらえるとお互いの学びになって良いので、お待ちしております。
最後に、オーガナイズしてくださったぐっさん、いつもありがとうございます!
また次回も楽しみです!