#66 自分でテーマを決めて、やりとげることは想像以上の困難の連続でした。
2020/2/5は修論の発表会でした。終わってすぐの新鮮な気持ちを書いておきたくなったので、すこしだけ。
フレームワーク
研究プレゼン(だけではないが)で何を話すか考えるときに常に意識するべき4つのレベルがある。
Level 1:フレームワーク(話の骨格、全体像)
Level 2:ディテール(骨格だけでは理解しづらい部分)
Level 3:手法など技術的な話
Level 4:個別事例
こうやって書くと当たり前のように見えるけど、対象に入り込んでしまうと、レベル1が見えなくなる。そして、聴き手にどこまで具体的な説明をすれば良いのかが分からなくなる。
この状態で発表してしまうと、聴き手は骨格すら理解できず、具体的な指摘や質問は出ない。
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私の場合、テーマを自分で決めたこともあって、それなりの思い入れとこだわりがあった。しかしそれは同時に客観的に研究の全体像を見ることを難しくした。
今日の発表の質疑応答では、研究のフレームワークが分からないとできないような質問を受けた。なので少なくとも教授陣には、取り組んだことを理解してもらえるような発表が出来たのではないかと思う。
自分で決める
自分でテーマを見つけること、
・それ自体に膨大なデータや資料・文献の蓄積が必要である。
・そして問題意識と明らかにしたいことに対する、自分の中での(直感的でもいいから)確信を持ち合わせていなければならない。
・もし確立された調査・分析方法がないなら、自分で編み出すしかない(新しいテーマにはつきもの)。
全体像がはっきり見えない不確実なことには不安が伴う。しかし自分でテーマを見つけて研究するには、少なくともこの3つを乗り越えなければならず、そのために自分で決めたことに対して責任を持ちやり遂げるという"意志"が必要である。(もちろん段取りして淡々とこなすことも必要)
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修論に取り組んだ2019-2020は、まさにこの3つと向き合った一年だった。研究内容も段取りも含め、反省点は山のようにあるけれど、その数だけ伸びしろがあるんだと思って真摯に向き合っていきたい。
マラソン
本論提出から発表会前の1週間は、寝る間も惜しんで、ケータイもほぼオフラインにして取り組んだ。普段徹夜なんかできない自分が嘘のような睡眠時間で、心身ともに結構なダメージを受けた。それでも「締め切りが完成」をいつも頭の隅に置き、あなたの作品はそのクオリティで本当にいいの?と自問しては、「いや、こんなんじゃ嫌だ」という気持ちでなんとか今日を迎えられた。
もう一つ、わたしがとても幸運だったことは、一緒に研究する4人がいたことだ。研究テーマ、対象、手法は全く違う(同じ研究室とは思えないくらい)。けれど、みな選んだというよりは自分で見つけたテーマを研究しているという一体感があったし、その意志や背景にある問題意識を共有しているからこそ沢山話して今日までやってこれた。一年という長いマラソンだったけど、こうして一緒に発表の日を終えられた。みんな、共に一年走ってきてくれてありがとう。みんながいなかったらこの内容の修論は作れなかったです。
寝不足&発表終えて力尽きたので、今夜はこの辺で。一つの作品として論文を書き上げたことにひとまず自信を持って、また反省点は近いうちにちゃんと振り返ろう。みんなもわたしも、そして世の論文生の皆さんもお疲れさま!