#63 Google scholar
あと2週間ちょっとで修士論文が終わる。一年弱かけて研究してきたことを、本論、梗概、プレゼン用のパワーポイントにまとめるために、結構タイトなスケジュールをこなす必要がある。
こんな時期に、こんな間際になって…論文検索スキルが上がったお陰なのか?「待ってました!この内容の論文探してたの!」みたいな研究をかなりの確率で引き当ててしまう。
今夜も世界のワイン認証の発展についての論文を見つけて(アブスト英語だったから安心してたらフランス語だったぁぁ…)、帰りの電車で没頭して読んでいたらあっという間に最寄駅に着いていた。フランス語なのにそこそこ読めてしまったこと、そしてちょっとにやっとしてしまう情報を仕入れられたとが嬉しい。今やるべきことではないのは分かってるのだけど(論文終らなくなるよ…)。
そんなこんなで、最近は専らGoogle scholarにお世話になっている。ということで論文検索についての気づきを何点かまとめておこうと思う。
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これまでの検索方法
1.これまでは、日本語論文がメインでヒットするような検索方法をとっていた。つまりcinii(日本の論文検索サイト)を使ったり、Google scholarに日本語でキーワードを入れていたということ。
2.検索ワードの絞り込みが雑だった。一般名詞が主だった。
現在の検索方法(試行錯誤後の結果)
1.Google scholarで英語で検索。
→探している論文に近そうなヒット件数が断然多くなった。
2.一般名詞主体から、一般名詞と固有名詞を組み合わせて検索。
思いがけない発見
1.「農産物認証」や「持続可能な農業」と言ったトピックは、フランスで盛んに行われているようだということ。
日本語論文と比べて、どうもアグロエコロジー関連の研究量が圧倒的に多いことも関係してそう。
このことに気づいたのは、英語で検索すると、アブストは英語、本文はフランス語の論文がよくヒットするから。また、その論文のリファレンスを辿ると “HAL”というフランスのオープン・アーカイブに収録されているものが多いようだ。※フランスの博士論文もこのサイトで探せるみたい。
2.どの学会に論文を出すべきかのヒントが得られたこと。
色々な分野に点々と、散在しているように感じていた(農業経済学、農業政策、地域振興、地理学、国際開発系、土木系の景観学、造園学etc...)。なので修論を学会に出すつもりだけど、どこの学会に出せば良いかわからない(担当教員ですら…)状態だった。修論後に検討しなければ…!と思っていたが、英語・仏語論文が収録されている雑誌を見てみると、世界中には様々な学会があることが見えてきてとても参考になりそうだった。
3.マクロな視点のレビュー研究の存在を知ったこと。
修論が終わりに近づくにつれて、「もっと先行研究のレビューをしておくべきだった」とか、いかに自分が勉強不足だったかを思い知らされる機会が多くなっていった。そんな時に、世界中(言語は英語に限るが)の、かなり長い期間に、あるテーマで書かれた膨大な論文をレビューし、現在の課題を提示する論文を見つけた。そのテーマのこれまでのトレンド、明らかにされたこと、未だ曖昧なこと、社会の変化によって新たに加わった課題など、鳥の目で全体を見渡すことができた。またこれまで知らなかったレビューの方法論もざっくりとだが把握できた。次の論文に取り掛かる前に、勝負するフィールドをよく知る事が先決のようだ。
4.自分と全く同じ課題を指摘している論文があったこと(私がこれまで抱えていた疑問やもやもやは間違ってなかったんだと少し安心)。
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以上まとまりはないが、おおよそこのようなことに気づいた。今さらって感じだけど、やっぱり人は経験した方が身に染みてわかるのですね。今気づけてよかった。
研究者への道のりはまだまだ長い。けど、一歩ずつ、焦らず頑張ろう。とりあえず後2週間は死ぬ気でやる…いや、やらなければ…!
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