#69 フランス,子供向け動画_農業と環境
今後積極的に、EU諸国の農業と環境についてのトピックを取り上げていこうと思っています。また元情報がフランス語の場合は、フランス語を勉強している人向けに関連単語も最後にピックアップしていきたいと思います。
フランスの子ども向けビデオが面白い
1jour1questionは様々なテーマで1日1つ、子供たちの質問に答えてくれる動画サイト。(動画の初め、それぞれのテーマとともに、子供の名前と年齢が書かれている!)様々なテーマ(社会、文化、歴史、科学、環境…)がある中で、もちろん農業に関するテーマもいくつかある。
今回紹介する動画は、「なぜ野菜を食べるの?」「農業とは?」「Bio(有機)って何?」の三本。子供向けとはいえどれも内容はしっかりしており、大人でも知らないような知識を得ることができる。ということで、それぞれについて簡単に内容を紹介したいと思う。
※全編フランス語だが、HPの要約文をGoogle翻訳にかければ大体内容は把握できるので(内容について詳しい記載のない動画もある)、詳しく知りたい方はぜひ翻訳してみてほしい(日本語だとうまく翻訳できないので仏→英語がおすすめです)。
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①なぜ野菜を食べるの?_Pourquoi doit-on manger des légumes?
野菜の栄養と健康に関することからはじまり、最後は「季節の、できればBio(有機)の、そして家の近くの野菜を食べよう!」と締められている動画。最後にこういう内容を入れてくるあたりがフランスっぽい。
それに、"メニュー決めてから野菜を買う"ではなく"季節の野菜でメニューを考える"は料理を楽しくすると思う。これは日本にもある料理に”旬”を取り入れるという考え方や、地産地消のことといっていいだろう。
②農業とは?_C’est quoi, l'agriculture?
「農業とは?」では、農耕と牧畜の起源から始まり、農業の近代化、そしてその反省を踏まえた現在の農業のあり方までを1分半の動画に収めている。農業が発展してきた大まかな流れから、これからの農業について考えるきっかけをくれる。私が特に注目したいのは動画の50″~1′20″あたりである。
科学の進歩により栽培種は改良され、化学肥料が登場し生産量が増えたことで、増加する人口を養うことができるようになった。しかし、化学的な農業は健康にも環境にも悪い。(50″~1′20″を要約)
③Bio(有機)って何?_C’est quoi, le bio ?
有機農業とは、どのような農業なのか?日本では化学肥料・農薬を使わないこと(安全性)が強調されているが、この動画では、有機農業は自然と調和した農業であることや動物福祉について触れられている。それに、フランスの有機認証AB(Agriculture Biologique)についても紹介されている。
農業大国,フランスの社会背景が垣間見える
フランスの農業生産額は、EU全体の19%を占める。また、農地面積は国土全体の52.5%である。つまり、それだけ農業はフランスにとって重要なものであるということである。
三本の動画を見てみると、ある共通点が見えてくる。それは、「環境」の要素が必ず入っていることである。ここには、環境にやさしい農業を進めなければならないという社会背景が表れている。
またフランスだけでなくEUという文脈でも同じことが言えるのだが、1990年代より農業由来の土壌や地下水汚染といった問題が顕在化し、2000年代以降より一層、フランスをはじめとしたEU諸国では農業由来の環境問題に取り組んでいる。子供向け動画に、このような問題につなげられる要素が含まれていることはとても興味深い!
参考:“持続可能な農業”に向かう農業大国フランス(kubotaホームページより)
★関連単語
食べもの:Alimentation
野菜:Légume
季節(旬)の野菜:Légume de saison
有機農業:Agriculture biologique≪Bio≫
動物福祉:Bien-être animal
化学肥料:Engrais chimique
・l'usage des engrais augmente la production(肥料の使用は生産量をぞうかさせる)
化学薬品:Produit chimique(↔produit naturel)
農薬:Pesticide
健康に良い:C'est bon pour la santé
・l'agriculture chimique est nocive pour la santé et l'environnement(化学農業は健康と環境にとって有害である)
植物性の廃棄物:Dechat vegitaux
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