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【論文まとめ】マズローの自己実現理論の全体像


石田潤先生 マズローの自己実現理論の全体像をまとめます


欲求階層説とは

マズローによると人の欲求は5段階に分かれていると考えてる

  • 生理的欲求・・・食べたい、飲みたい、眠りたいなど

  • 安全の欲求・・・生命の危機から逃れたい

  • 所属と愛の欲求・・・誰かに愛されたい、集団に所属したい

  • 承認欲求・・・周りに認められたい

  • 自己実現欲求・・・より理想的な人間になりたい

ポイント💡
基本的には、下位欲求が満たされて初めて上位欲求が生じてくると言われているが完全に下位欲求が満たされなくても徐々に生じうる。

例えば、
所属欲求を持ちながら承認欲求を持っていてもおかしくない
→この場合、誰かに認められたいという欲求には、そのためにどこかの集団に所属したいという下位欲求が関わっている


自己実現的人間とは

マズローは自己実現的人間とはどんな人間なのかについて以下のように説明している(以下に挙げるのは一部である)

  • お金や栄光の為でなく自分の可能性のために物事に取り組む

  • 深い他者との結びつきを持つため、友好関係は狭い

  • 創造性が豊かである

  • 肌の色や立場によって差別せず、自分に何かを教えてくれる人はみんな尊敬している

  • 現実を正確に知覚している

  • 物事に対して自発的である

  • 集中力が高い

  • 理性と本能や仕事と遊び、成熟と子供っぽさと言った対立性が融合して統一されている

ポイント💡
自己実現的人間というのは必ずしも社会的に見た優等生ではない
例えば、
狭い対人関係であったり、孤独を平均より好む傾向があるところなどは社会的に見た模範人間とは言えないだろう

至高経験

至高経験とはひとことで言うと自己実現の瞬間的達成のことを指す。

至高経験とはどういう状態?

  • 今ここを生きている状態で、何かのための行動ではなく、行動そのもののための行動をとる

  • 主体的であり、独自性が高い。

  • 抑制や恐怖などから自由な状態である。

  • 幸福を感じ、思考経験をもたらしてくれた対象に対する感謝の気持ちを感じる

  • 自分のもつ能力の全てがその行為に投入されており、最高度のパフォーマンスが発揮できる状態であり、苦労も感じない

  • 集中的、調和的である。

  • 周囲の他者や創作物、鑑賞物と一体感を持ったりする

ポイント💡
至高経験自体は誰でも経験できるものである。
自己実現的人間とは、この至高経験を質高く、頻繁に実現させている人間と言ってもいい。

自己実現と教育

マズローは教育というのは自己実現を支援するものであるとしている

教育を通して人生の価値や喜びを味合わせることによって至高経験を体験したり、生きる喜びを感じたりする。
その経験は自己発見や自己実現につながり、自己形成がなされていく

ポイント💡
マズローは至高経験を味合わせる科目として芸術の重要性を語っている
しかし芸術だけでなく、それ以外の科目でも学生に至高経験を体験させることはできると考えている

自己実現と創造性

マズローは自己実現と創造性は重なり合う部分があり、ほぼ同じものとみなすことができると考えている

ここでいう創造性は、一種のひらめきやインスピレーションのことを指している。出来上がった創作物の出来の良さなどは、創造性以外の要素(創作費用、技術、努力など)が関連してしまうのでここでの創造性とは異なる

創造性の源泉は心の深層部分にあり、フロイトのいう無意識の領域に存在する

自己実現と仕事

マズローは、仕事は自己実現と非常に関連の深いものとして捉えている。
仕事は、自分自身を知ることであり深層部分を自覚する経験につながる。深層部分を自覚することは人間としての喜びを味わうことにつながると考えている

ポイント💡
管理者は部下の自己実現のために努力することが重要である



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