階段を上りきりたい
子供の頃から、よく見る夢がある。
最近はそうでもなかったが、今朝方久しぶりに見た。
実家の階段から落ちそうで落ちないという夢だ。
実家は昭和30年〜40年頃に建てられた、古民家などと良い言い方はできない、ただの古い家だった。
南側に広いお客様用玄関があり、そこから十三段だっただろうか、、、。
トトロの草壁家の階段に似ている、急な階段があった。
手すりもなく、縦幅は子どもの頃の私の足ギリギリだった。
階段下は押し入れになっており、下三段は空洞になっていた。
実際に落ちたことは覚えている限り一度だけだ。下三段目から一番下へ滑り落ちた。特に怪我はしなかったが私はとにかくその階段がとても怖かった。実際に落ちる以前から夢に見るほどだった。
自室は二階にあり、トイレは一階にしかなかった。
夜、トイレに行きたくなるとその階段をゆっくりと降り、廊下、居間を抜け内玄関へ。重たくてうるさい引き戸をそっと開けてサンダルを履いて行かなければならない。
電気はあるがセンサーなどはついていないので、階段、廊下、居間、内玄関、土間、トイレと自分でつけなければならない。
階段の電気のスイッチは階段ギリギリの所にあった。それも怖かった一因だろう。
自室の明かりを頼りに短い廊下を進み、階段にたどり着かない所で止まりスイッチを探す。
家族の誰も落ちて大怪我をしたという記憶はないが、この状況でよく事故が起きなかったものだ。
悪夢の内容は、階段の上から落ちる、ではない。
階段を上っているのだが、下段の方は下が空洞になっているので階段の縁に手をひっかけられるが、上に近づくにつれつかまる所もなく、足を滑らせバランスを崩して落ちそうに、、。というところで夢が終わればまだ良い方で、二階にたどり着くまで何度も同じように落ちそうになるところを繰り返すという悪夢。
この夢を見る時はたいてい何か悪いことをした時だ。と記憶している。
バレて叱られた、というよりはバレる前に罪悪感でいっぱいの時に見ていた。
今は取り壊されて、その階段はもう存在しないのに未だに見る。
昨夜の悪夢は何に対しての罪悪感なんだろうか、、、。