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なりゆきの新年

20代の後半は(というのは、ぼくの場合、2000年代後半にあたる)毎年、新年に「今年の目標」をたてていた。漠然とした目標じゃない。具体的な達成目標であることが多かった。プライベートのことから仕事のことまで、毎年何項目もあった。

2008年に勤めていた会社(と言っても社員数名の小さな広告代理店だった)を辞めて、2009年には某業界新聞の会社に再就職したが出社初日の朝礼で社長が話すのを聞いた瞬間に「あ、ここはダメだ」と思った。その年の秋にはその会社も辞めて、その年末には「今年は散々な年だった」と思った、「これからどうやって生きてゆこう」という難題を抱えていた。

その年は「今年の目標」を何ひとつと言っていいほど達成できなかった。1月に想定できた自分の「今年」の土台が崩れ去っていたのだから。でも、素直になってその「今年」を受け止めてみると「何だか意外といい年だったんじゃない?」とも思えた。これでよかったのだ、と。

なぜ? どうしてそう感じるのだろう? という話を会う人、会う人にしていたら、ある人がこう話してくれた。

「予想できなかった良いことがいろいろあったからじゃないですか?」

そう言われたのには唸ってしまった。

たしかに、よく考えてみると、「散々」だったおかげでその年は予想もできなかった出会いがたくさんありました。驚くほど、ありました。

明けて2010年になり、その1月でぼくは31歳になる年だったが、「今年は、目標たてるのやめ。思う存分、なりゆきの風に吹かれてみよう」ということにした。

「なりゆきの風」に吹かれた結果、ぼくは12年を過ごした大阪(途中、2年は京都)を出て、旅をしてたまたま西東京に見つけた町・府中市にびゅーんとひとり引っ越した。ぼくの人生、そこで大きく分断されたようになった。それまで培っていた縁を思い切って振り切って、自ら離れたのだった。

つづく

 *

あけましておめでとうございます。2019年、元旦です。

2018年もいろいろありましたねー。私もいろいろあったので、年末には1年を総括して「いろいろあったねぇ」ということにしました。あとはまぁいいや。

さて、2019年の最初の"小さな仕事"として、「道草の家・ことのは山房」のウェブサイトをリニューアルしました。

年賀状にこのリニューアル・サイトのURLを載せてしまったのでつくらないといけなくなってしまったのです。ジゴウジトク。

と言っても、まだほとんど"真っ白"な状態なんですが、公開してからつくればいいんだこんなの。ね。

でも本当に真っ白なのもツマンナイから、と、最初のアイデアとして、今年はこのサイトを使って「日めくりカレンダー」をやろう! という話になって、元旦のカレンダーを更新しました。

昨年はいろんなことを"思った年"で、今年はあれやこれやと動きながら書いたり話したりしてゆきます。おせちを食べて疲れている人もカップうどん食べて呑気な人も、まー、なにはトモアレお正月。今年もボチボチよろしくお願いします。

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