個人的な祝日
会社勤めを止めた後、11年前から、誕生日は個人的な祝日ということにしている。もちろん生まれてきた日のことは覚えていないが、生まれてきて、こうやって42年も生きてきたことには不思議な感慨がある。生まれてこられたことには感謝もしている。生まれてきたくなかったと思うところは、自分にはあまりない。紆余曲折あって自分には、あるときから、生を無条件に肯定するような感じが生まれた。生きてさえいれば、あとのことは何とでもなる、と考えている。が、そんな自分もいつかは死ぬ。その日は、いつ来るか、誰もわからない。ローラ・ニーロの歌のようだけれど、自分が死ぬことは、そんなに怖くないような気がする(でもいろんなことが心配だ)。おもしろい。その日までしぶとく生きて、未来のひとへ渡すバトンをたくさんつくっていよう。
『音を聴くひと』は、1年前の今日をめざしてつくろうとしていたが、いろいろあって6月まで延びたのだった。この本も"バトン"のひとつです。