ぽっかり空いた穴はもう今はないから。
いつのころまでかいつも気づくと「ぽっかりした穴」を感じることがあった。
いつもどこか寂しくて、いつもなんとなく虚無感を感じていた。
なんか「センチメンタル」な感じ。
それが若かったからなのか、いつもいつも苦しかった。
それをずっと「絵」にぶつけた。
私の苦しみは全部「絵」吸い取ってくれた。
そしていつごろか「苦しみがないと絵が描けないのだ」と思い込むようになっていた。
絵を描いて、村上春樹の「ノルウェイの森」を読んでいた。
まるで日記のように感じるぐらい毎日毎日読んでいた。
よくわからないけど今思うと「苦しみたかった」んだろうなと。
今は、もう、何千回も読んだ「ノルウェイの森」は読んでいないし、もう本を置いてさえいない。そして苦しみの置き場のように描いていた「絵」もかかなくなった。
何が変わったのか・・・なんてよくわからないけど・・・
写真には「苦しみ」も「悲しみ」もいれることはない。
それがうれしいのか、悲しいのかは・・・今はまだわからない。
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