春枕のカウンター①出会い杢〜桜の木目に宿るふたつの魂〜
春枕のカウンター板には「出会い杢」と呼ばれる、二つの丸い円が引き合っているような木目が、浮かんでいます。
初めてこの板を目にしたときから、この木目には、何か特別な力が宿っているような、ふたつの魂が引き合うような温かさと強さが感じられました。
もともとこの桜は、長い年月を奈良・吉野山で生きて、花を咲かせてきました。
出会い杢は、一本の木であったときからその内側に秘められており、立ち木としての命を終えた後、板となり、その木目をみせてくれました。
それは命が尽きても、その中で育まれたつながりや愛は消えることがなく、むしろ新しいかたちで鮮やかに現れるということ。命がかたちを変えても、愛する存在に出会い、結ばれた絆は決して変わらないことを、静かに教えてくれているように思います。
訪れてくださる方にとって、大切な方との絆が、命の移り変わりの中でも変わらずに結ばれ続けるものとして、感じて頂けますように…