
来年も投票へ
来年2025年も、選挙がある。
少なくとも、7月で任期満了になる参議選が必ずある。
選挙権がある方全員に投票に行ってほしいと願っている。
その理由を、以下に自分なりの言葉で書いてみる。
増税やインボイス制度は、自民党が勝ったときから実施が決まっていた
フリーランスになって7年の私は、昨年(2023年10月)から開始されたインボイス制度の影響を受けた一人です。
仕事上はしれっとした顔をして、インボイス番号付きの請求書をやりとりしています。
ですが、このインボイス番号に関する私の情報が完全に公開されていることや、確定申告で追加で提出が必要になった税金計算書類の理解が難しいことなど、増税以外にもモヤモヤする点が多いです。
納税額が増えたからといって仕事の金額を上げることもできていません。
制度開始当初、ある取引先の方に言われたことが今でも頭に残っています。
「あなたはインボイス対応してくれてよかった、番号ないっていう人もいて困るよ。制度が始まるっていうのは、自民党が勝った時から決まっていたことなのにね。」
インボイス制度は、もともと、消費税課税の公平を期すために必要になったとされています。
さかのぼると、消費税8%のスタートは2012年の第二次安倍内閣でした(実施決定は野田内閣時かもしれません)。そして、消費税10%引き上げについて国民に真意を問うとした2016年の参院選でも、なぜか自民党が議席の3分の2以上を獲得。この時の投票率は54.70%です。
それで、消費税が10%と軽減税率8%になり、インボイス制度も始まりました。
”親世代が選び続けてきた”自民党とは何なのか
このところ継続して与党であり、政権をとり続けている「自由民主党」とはいったい何なのでしょうか。
個人的には、無責任な言い方で情けないのですが、親世代から「自民党が信頼できるよ」と引き継がれ、鵜呑みにしてしまっている感覚がありました。
先輩たちが信頼を寄せる気持ちもよくわかります。戦後ずっと、景気のいい時代を牽引してきてくれたのですから。
ですがここで、ちょっと立ち止まって自分の頭で考えてみた方が良さそうです。自民党って、どんな政党なのでしょうか?
何をやってきたか
自民党の結成は、昭和20年8月15日の終戦から10年後の、昭和30年11月だそうです。
党の「綱領」はこうです。
一、 わが党は、民主主義の理念を基調として諸般の制度、機構を刷新改善し、文化的民主国家の完成を期する
一、 わが党は、平和と自由を希求する人類普遍の正義に立脚して、国際関係を是正し、調整し、自主独立の完成を期する
一、 わが党は、公共の福祉を規範とし、個人の創意と企業の自由を基底とする経済の総合計画を策定実施し、民生の安定と福祉国家の完成を期する
いろいろ変える気満々なんですね。どんどん進んでいけそうで頼もしいです。
ただ、読んでみて少し不安に感じるのは、たぶん、期待する主語「国民にとっての」が無いからです。(文化的民主国家…誰の?自主独立…誰が?)
では、実際に近年実施されてきた政治をいくつかあげてみます(身近な話題を選びがちです…。他にもたくさんの内容があります)。
参考のため、客観的な解説がわかりやすそうなリンク先も一部に貼ります。
1996年(平成8年)介護保険法案を閣議決定
1999年(平成11年)労働者派遣法改正(適用対象業務を自由化)
同年 地域振興券配布
2002年(平成14年)郵政関連法成立
2004年(平成16年)経団連、企業の政治献金の指針となる政党の政策評価を初めて発表(以来、毎年実施。リンク先は今年2024年版)
2005年(平成17年)郵政民営化法成立
2006年(平成18年)新「教育基本法」成立
2007年(平成19年)河野談話について「強制はなかった」とする答弁を可決
同年 国民投票法成立
同年 教育改革関連三法成立
2008年(平成20年)新テロ特措法成立
2011年(平成23年 東日本大震災発生の年)国連で原発は今後も活用する意向を表明
2012年(平成24年)消費税法案閣議決定
2013年(平成25年)マイナンバー法成立
同年 消費税8%閣議決定
2015年(平成27年)選挙権年齢を18歳以上に引き下げる法案可決
同年 安全保障関連法成立
同年 改正マイナンバー法成立
ここまで、ほとんどを「自由民主党のあゆみ」から引用しました。(平成27年発行なので安倍政権時に編集されたものです)
2018年 TPP加盟
2019年(令和元年)消費税10%、軽減税率8%に
2020年 コロナ蔓延のなか給付金など措置
同年 種苗法改訂
2021年 核兵器禁止条約が発効、日本は批准せず
最近決まったものや、国会で議論されていることなどは衆議院のHPで公開されています。中身まで追わなくても、議案件名と成立したかどうかなどは眺められます。
年金、税金、iDecoのことなど気になる案件がたくさんあります。
令和の私たちが、どうしたいか
ざっと列挙しただけでも、今までの政策でたくさんの事柄が変わってきたことがわかります。
法律が成立したり可決したりして、自分の身になにが起こったのか、人々の気持ちがどう変化しているのか、自分ごとで考えてみる必要があります。
平成8年成立の介護保険法で40歳からの納税額がぐんと増えるようになりました。また、要介護度がランク付けされることで苦労される方もいるそうです。
平成11年の派遣法改正で気軽に仕事ができるようになったぶん、契約に縛られ期限におびえて働く人たちも増えました。
増税やインボイスも同じです。
沖縄の美しい海は埋め立てが進みます。
これらを踏まえて、これからの私たちがどうしたいかを、時間の捻出は必要だとしても、ある程度公平なかたちで、特別な苦労なく表明できるのは、今の日本においては選挙しかありません。
終戦後最初に行われた、昭和21年の衆院総選挙の投票率は72.8%。
昭和年代の投票率は60〜80%近くで推移しています。
平成に入ると投票率が落ち始めました。このところ50%台の投票率が続いています。(総務省のまとめグラフはこちら)
ところが、投票率が落ちても、自民党が勝ち続けています。
投票率が落ちたら、何か状況が好転する…、ということではなさそうです。
むしろ、ずっと自民党に投票している人たちは相変わらず投票できているけれど、それ以外の人たちが投票しない選択をしている結果、
引き続き自民党によろしくしている状態が続くということだと思います。
時代は変化します。すると、実施してほしいとみんなが願う政策も変化するはずです。
してほしくない、と思うことを挙げる方が簡単かもしれません。
私はもう消費増税はしてほしくない。憲法改正もしてほしくない。
だから、選挙に行きます。
子どもたちにも家族にも、自分で考えて、選挙に行ってもらいます。
追記
選挙や政治制度に関して、いま気になっているキーワードを下記に少しメモしておきたいと思います。
選挙は「人」を選び、国民投票・住民投票は「事柄」を決める
私たちは誰も「不可謬の正解」を知る神ではない以上、自己の愚かさを自覚し、自他の愚かな失敗から学び成長できるような、「愚者の共同体」の批判的自己変容の場として、民主主義を成熟させていくことである。
昭和前期の政党政治 二大政党制はなぜ挫折したのか