うちの小説の企画書・プロットもろもろの紹介 #青い鳥文庫 #藤白くんのヘビーな恋
青い鳥文庫さんから発売中の「藤白くんのヘビーな恋」シリーズ、2巻が6月に発売予定です📖 ということで、2巻発売を記念して!
「藤白くんのヘビーな恋」ができるまでをご紹介しましょう企画で、1巻の企画書・プロットを青い鳥文庫さんのサイトで公開することになりました!(ネタバレ防止で内容としては半分くらい)
企画書・プロットが見てみたいというマシュマロなどよくいただいていたので、この機会に見てみてください~。プロットってどんなもの? ってくらいでもぜひ。
そして! 完成版の小説と! ぜひ比べてみてください! 読んで!
さて、ここからは、私が普段小説の企画を出すときに、どんなものを提出しているのか、書いてみたいと思います。
作家さんによってやり方は異なりますし、ここに書くのはあくまで私が長年試行錯誤した結果、我流で落ち着いたやり方です。ご参考までに。
◆執筆までに担当さんに提出しているもの
そもそも、原稿を執筆するまでに担当さんに提出してるものには何があるの? という疑問もあるかと思うので、あくまで私の場合の紹介。
ネタ・アイディア一覧
数行レベルのネタというかアイディアの一覧です。大体、タイトル+文庫本の裏表紙にあるくらいのあらすじ+ジャンルを書いてます。5案前後まとめて出すことが多いです。
場合によっては、このネタ出しは打ち合わせなどの口頭でFIXすることもあります。企画書(★今回青い鳥文庫さんのサイトで公開されたもの)
コンセプト・主要キャラ一覧・ストーリーをまとめたものです。できるだけA4で数枚に収まるようにしています。
シリーズの場合は、今後の展開なども数行レベルで書いておいたりも。詳細プロット(★次回青い鳥文庫さんのサイトに公開される予定のもの)
企画書に書いたストーリーのさらに詳細版。この段階で章タイトルなども決めます。なんなら各シーンの日付や伏線も全部決めます。
単巻の場合は、ここにキャラ設定も入れます。シリーズものの場合は、キャラ設定一覧は別ファイルにして逐次更新しています。
青い鳥文庫さんの場合は上記1~3の全部を送りましたが、ジャンルや担当さん、編集部の方針によって適宜出すものを変えたりもしてます。
①1・2の合成版みたいな企画書 & 3
②1 & 2と3の合成版みたいなプロット
③1 & 2だけ
④1 & 3だけ
などなど……。
エンタメだと扱う題材やコンセプトが特に大事(だと個人的に思っている)ですが、文学だとそれプラス1冊通じて何を訴えるかといったテーマ性も大事(だと個人的に思っている)。なので、文学の場合は2のように結末までわかるものを最初から出すため、上記の①みたいな出し方をしています。
また、オムニバスとか短編の場合は詳細プロットを省略することもあります。短編だと基本方針が決まれば、そんなにブレずに書けるし修正も楽なので……。
◆企画はどんな流れで通るの?
編集部によって、企画にGOが出るまでのルートって違うんですよね。自分が知ってるだけでもこれだけ違ったり。
・1~3すべてで担当さん・編集長チェックが入る→OK出たら執筆
・1で担当さん・編集長チェック、そのあとは基本担当さんのチェックのみで進行、執筆
・1で担当さんOKが出たら3を作成→編集部の企画会議でOKが出たら執筆
・1~3で担当さんOKが出たら執筆、原稿になったら編集長チェック
なお、私が身を置いているのは主に児童文庫・児童文学界隈+ライト文芸です。一般文芸とかラノベのことはわかりません。
◆詳細プロットの是非
上記の2、企画書と言いつつストーリーの起承転結まで書いてあるので、作家さんによってはこのレベルがプロットとなって執筆に着手する方も多いと思います。私はとてもとてもプロットが細かいタイプです。詳細プロット、大体完成原稿の20%くらいのボリュームになります。
なんで私が詳細プロットを作るかというと、デビュー作~4作目くらいまで、全書き直しをしまくったからです。
原稿になってからの書き直し、やはりしんどいんですよ。展開・キャラの性格変える→ほぼ全書き直しになるじゃないですか。例えばデビュー作13万字あったんですけど、書き直し×3とか、作業量的にもメンタル的にも非常にしんどいです。何書いてるのかわかんなくなってくるし、これチェックしてる方も同じでは。
という経験から、プロット段階でできるだけ細部まで見せて、その後の手戻りをなくしたいというのが意図です。
こんな感じでプロットを作るようになった結果、微調整はあれど、テーマや話の展開を変えるような大きな手戻りが発生することはほぼなくなりました(藤白くんの1巻も一発OK)。プロット段階で細かくチェック・一緒に検討してくださる担当さんには本当に感謝です。
ちなみに私と同じレベルで詳細なプロットを作る作家さん、何人かは知ってるんですが、過去に「こんなの普通は作らない/細かいプロットは見ません」と言われたこともあります。
なのではじめてお仕事する場合は過去作のプロットとか企画書を見せて、こういうやり方でいいか聞いてます。場合によっては詳細プロットは自分向けに作って、提出するのは企画書だけにしたり。
なお、部の方針によっては、完成原稿 or 詳細なプロットでないと企画会議に出せない場合もあったりもします。どうやって進めるか、事前に確認するの大事です。
◆ぜひ発売中の完成版と比べてみてください!
という感じで、上記の方針で私が作っている企画書・プロット、興味ある方は、青い鳥文庫さんのサイトをぜひ見てみてください。
でもって、完成原稿には企画書やプロットにはなかった演出や、担当さんと相談して変えた設定、書きながら変えたところや工夫したところもたくさんあります。
ぜひ完成版の書籍と比較してみてください!
なお、次回、詳細なプロットは6月頭に青い鳥文庫さんのサイトに公開される予定です。
発売中の『藤白くんのヘビーな恋』1巻、6月発売の2巻もよろしくお願いします!
基本的に記事は無料公開ですが、応援は大歓迎です!