Kindle本を出版してみた 「書きたい!」あなたへ出版のススメ
突然ですが、エッセイ本を書きました。
無名のわたしが出版したところで、買ってくれるのは身内のみ。ええ、分かっていますとも。いいんです。今回の目的は、
Kindle出版て調べてみたらめっちゃ簡単そうだけど、どうなの?
を実際にやって確かめてみることだから。
正直、文章の内容すらどうでも良いといえば良いのですが、作業を進めていくうち「コンテンツこそが肝」で、他のことはかなり省力化できることがわかりました。後でその辺にも触れていきます。
きっかけと「どうなの?」の調査
文章教室でご一緒している物書きのYAMATOさん。
2冊Kindleで著作を上梓されています。
本職のYAMATOさんには及ばないところが多いだろうけど、Kindleで本を出すのってどうなんだろう。ボンヤリとでも頭をよぎったことは、スマホに訊けばすぐ答えてくれる便利な時代です。早速色々訊いてみて行きついたのが、以下のページ。
読んだところ、結局大きく分けて手順は3つ。
本の売上を受け取るための情報を登録する(KDPアカウントの作成、銀行口座情報の登録など)
コンテンツを作成・確認する
コンテンツをアップロードする(本の詳細情報も考えて登録する)
これだけです。
個人的に気にしていたのは、「2」のハードルがすごく高いのではないか?ということ。ところが調べてみたら
MS Wordで作れば十分だというではないですか
そうは言っても、Wordの特殊機能とか使うんじゃないの・・・?と調べていくと、ただ単に見出しの設定をしたり、目次の設定をしたり。Wordを使ってビジネス文書を書いた経験がある人なら、普段当たり前にやっていることばかり。
・・・なにこれ?? こんなに簡単なの??
しかも一回テンプレート作っちゃえば、使いまわせるじゃん!!
あまりWordを使ったビジネスライティングの経験が無い方は?と思って調査をさらに進めると、テンプレートを公開している方がいらっしゃいました。Kindle本ならワンコイン。わたしはKindle Unlimitedを使用しているため、そちらで読ませてもらいました。
本ができるまで
あまりの簡単さに「書くことさえ決まっちゃえば、あっという間にできちゃうんじゃ?」と感じました。そこで夏の仕事休みを利用して自分の書いたエッセイを、あるテーマの下で集めて本にしようと決めました。今回は休み中に一気に作業を終わらせるため、スピード重視。ありがたく公開されていたテンプレートを使わせていただくことにしました。
問題は内容です。
舞台の感想・・・きっと関係者の皆様に掲載許可を求める必要がある
映画の感想・・・舞台の感想と同じ
美味しかったお店・・・これも掲載許可が必要
となると、誰にも許可を求めなくてよいのは自分と自分の家族の話だなとすぐに判断。家族の話を集めたエッセイに内容を決めました。
さて、内容は決めましたが今度は構成を考えなくてはなりません。母との話はいっぱいあるのですが、娘との話は1ネタしかない。息子との話は雑にかいたものがあるけれど、このままでは本になりえない。そして、私自身のことも少し入れたい。
ということで、章ごとの見出しを以下に決めました。
第一章:母とわたし
第二章:娘とわたし
第三章:息子とわたし
第四章:わたしとわたし
夫が居ないのは、ネタが無いわけではなく大変具体的に書かれているため、読んだ人にリアルなわたしがバレてしまうからです。夫、ごめん。
新しいエッセイを何本か書いて、推敲。第一章に3本、第二章に2本、第三章に2本、第四章に3本の短いエッセイ集の出来上がりです。
あれ。これだけ? 少々唐突すぎないか?
ということで、まえがきとあとがきに当たる「はじめに」「おわりに」を用意。Wordテンプレートのおかげでここまでの作業がサクサク進み、夏休みに入って1日半でほぼ完成。あとはレイアウトを確認するのみです。
Kindle本を出版するのにもっとも労力が必要なのは、「コンテンツをどうするか」であることがここまでの経験でハッキリしました。「何をどんな構成で読者に伝えるか」だけに集中できるのは、良いなと。
レイアウトの確認に話を戻しましょう。ここで登場するのが、Kindle Previewerというツール。
Kindle 本になった時の体裁を、タブレット、Kindle端末、スマホのすべてで確認できるすぐれもの。何度もこれを使ってレイアウトを確認したので、内容はともかく体裁は販売開始後も大きな問題は見られませんでした。
作成したWordファイルをアップロードしたら、72時間後にははい完成!
こんなスピード感で本が作れてしまうことに、驚きました。
やってみて
とにかく簡単!ビックリするほど簡単でした。今回は内容を練って良いものにするための時間を取っていないのと、他の方の力をあまり借りていない(Howの部分でWEB記事やKindle 本を参考にはさせていただきましたが、よりよいコンテンツを作成するためには誰の力も借りてない、と言う意味です)ため、素人のやっつけ仕事感が否めない部分はあります。しかし逆に言えば「自分のことを書く」エッセイならば、誰でも簡単にここまでは出来てしまうということでもあります。
書く内容を決めてちゃんと作ってさえしまえば、プラスAmazon側のチェックにかかる72時間で世界中に宛てて本が書けてしまう。
もちろん売上のことを意識するのであれば、そこもきちんと考えなくてはいけません。素人仕事には限界があります。How toものの場合は記載内容の確認も必要ですし、書く内容によって出版までの手間には差が出てくると思います。
ただ、作ってしまえば公開までわずかな時間で世界中に公開できるのは、大きな魅力。あとで修正するのも簡単ですし、「まずはやってみる」でもお釣りが来る程度の労力で出版できる。すごいことです。
「書きたいこと」を誰でも気楽に出版できる時代。発信のカタチのひとつとして、「アリ」だと思います。「難しそう…」とお考えの方、ビックリするほど簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。