8月観劇記録 『ムーラン・ルージュ・ザ・ミュージカル』
ミュージカル『ムーラン・ルージュ』の超豪華キャストと超びっくりな席の価格設定は、この作品の上演が発表された頃、かなりネットを賑わせた。ついこの間まで5,000円だったB席が10,000円。気楽に観に行ける感じはしない。
結論から言えば、全然お値段以上だったわけだけど。
観劇日・キャスト
2023年8月5日(土)マチネ
場所:帝国劇場
この日のキャストは以下の通り
あらすじ
フランス・パリを舞台にムーラン・ルージュのスターであるサティーンと作家志望の青年・クリスチャンの恋模様を描く。
感想
帝劇がムーラン・ルージュに?
まず劇場の雰囲気づくりからしてすごかった。帝劇に行くのはもはや何度目かわからないが、正面入り口からすでに「ココはパリか?モンマルトルか?」と思わず口にしてしまいそうになる。
この日は2階席だったのだが、2階にはムーラン・ルージュの世界観を味わえるカフェスペースもあって(時間が無くて寄れなかった)、雰囲気づくりに余念がない。なるほどお値段のわけはこれかと下衆な考えが浮かぶ。
歌うまオバケ2人の競演
サティーンは平原綾香さんと望海風斗さんのダブルキャスト。クリスチャンは井上芳雄さんと甲斐翔真さんのダブルキャスト。長い公演なので他の主要キャストもダブルキャストが多い。
わたしが観に行った回は、このnoteの「観劇日・キャスト」のところに書いた組み合わせで、望海サティーン&芳雄クリスチャン。2人とも歌が上手いのは他作品も観てるので知ってるけれど、驚いたのは芳雄クリスチャンが若いことだ。実年齢とはかけ離れた「勢いで突っ走る若者」がそこにいた。それを受ける望海サティーンの愛にあふれた歌声も素晴らしかった。
ミュージカルの歌はただの歌じゃない。芝居なんだということを改めて感じさせてくれた望海さんと芳雄さんに感謝したい。
ミュージカル初心者にオススメ
ストーリーは非常にシンプルでわかりにくい点は無いし、曲は耳馴染みのあるポップスが多用されているし、舞台装置は絢爛豪華だし、ダンスのレベルもむちゃくちゃ高い。
ミュージカル観たことない!という人にも全力でオススメできる作品である。引っかかるのはチケットが「試しに観ようかな」という価格設定ではないことくらい。
胸がギュッとする瞬間もあるが、ラストまで板の上と観客が一体となって盛り上がれる作品は貴重だ。再演が2024年に予定されているそうなので、興味が少しでもある人には、個人的にオススメしておこうと思っている。
俳優さんたちのお芝居について
望海サティーンと芳雄クリスチャンには触れたので、ここではそれ以外の印象深かった俳優さんについて。
デューク役のKさんがむちゃくちゃ嫌なやつでキモかった(褒めてます)。伊礼彼方さんでも観たかったな。彼も『キング・アーサー』でキモい役を好演していたので、両方観てみたかった。体調が悪くて何枚かあったチケットを手放してしまったのだけど、もったいなかったなと少し後悔している。
ニニ役の藤森蓮華さんの身体能力と表現に驚かされっぱなしだった。時に妖艶に時にコミカルに。動きであれほど役をはっきり出せるものなのだなと、ダンサーとしての表現力に脱帽する思いだった。
終わりに
色んな組み合わせで何度も観られたら、それぞれの役者さんの「味」が感じられるだろう。実際、1公演だけではなく、組み合わせを変えて何度も観たい作品だった。
誰にでもオススメ出来るミュージカルがひとつ増えたのが、なんか嬉しい。
2024年の再演が楽しみである。
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