陽だまり
しつこくつきまとってきた暑すぎる夏も、とうとう終わりが見えてきましたね。
嬉しいような寂しいような、季節の変わり目はいつもそんな気持ちになります。
私はというと、小学校の教育実習を受けています。朝6時半に起きてから準備をして20分かけて学校へ向かい、7時45分に小学校の校門をくぐる毎日です。
教育実習が始まる前、いろんな葛藤がありました。こんな精神状態(とっても落ち込むことがあったので)で子供たちと接することができるのか、毎日のハードなスケジュールをこなすことができるのか。例を挙げるときりがないくらいには不安でいっぱいでした。
台無しにするわけにもいかないので、何とか気を持ち直して実習を始めることができました。
自惚れ
私はありがたいことに気がつくと、周りに人がたくさんいるような環境で生きてきました。
中高時代は、教室ではもちろん廊下や階段、行く場所どこにでも知っている人がいました。今も何があっても孤独を感じられないくらい友達には助けられています。
なんて恵まれているんだろう。
少し前に、そんな話をしていると
「そんなの宵ちゃんだからだよ」
と言われました。
「お世辞がうまいんだからぁ」
と聞き流してしまった。でも最近、もう少し自惚れても良いのでは?と思う出来事がありました。
そう、この話が教育実習につながるのです。
教育実習が始まって1週間ほど経った頃、学校に行くと子供たちに囲まれ、どこに行っても知らない人がいないくらいには学校に馴染めていました。担当クラスでも常に子供たちに囲まれ、引っ張りだこでした。
ほんとに私はどこまで運がいいんだろうとすごく幸せでした。
そんな時、何人かの先生に
「春木先生の人へ向ける視線や表情、かける言葉はほんとに優しいね。それは意識してできることではないんだよ。」
と言っていただけました。
私は運を持っていたのではなく、人に好かれる術を知らぬうちに身につけていたのだなと何だかすごく納得できました。
そして、なぜ題名が「陽だまり」なのか。
以前の記事で、私の周りには黄色の人が多くいると書きました。
子供たちは、まだまだ人格形成中のためかその時の気分によって色が変わるようでした。
驚くことに私の周りにいる子供たちは、揃って「陽だまり」のような優しい黄色へと色が変化していました。
私は子供へ、この1ヶ月の間で何かを伝えることができたのでしょうか。そして、私の視線や表情とは一体どういうものなのでしょう。
ねぇ、先生。教えてください。
春キ宵