𝙷𝚊𝚛𝚞𝚔𝚒

うた

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こころある

自分が一面では 或いはある時期には さらにはある瞬間には 心ない人であったと言う事実を振り返り認め 苦しくもそれを認めることを決心し こころある人を目指す在り方…

2024年上半期自選短歌+1

最近の短歌

マシュマロのようなミットで捕捉するしあわせはきっと最速の君 君の目はX線で胸中を白黒にして告げる初恋 欲浅いフリをしているアンコウの灯火みたいなやさしさを振る …

最近の短歌十六選

気づいたらどうやら僕はロックよりカントリーフォークで息をしている 貴方はいる歌う歌の中に描いた絵の中に語る言葉の中に胸の中に 捨て去った概念的なくちびるは君がど…

音楽 (三首と一首)連作短歌

 音楽は年を取らない いつまでもあだ名で振り向く友達みたい  音楽は年を取らない 胸の中で凍る涙が奏でる歪み  音楽は年を取らない 夏暮れの行き場を失った追憶  …

月代

2023年 自選短歌五首

2

身体を思い出す未明

投げかける 中心は一つだったか?言いたいことばばかりだったさ 一抹の不安となって消えて行く 歩く速さの風を受ければ ひかりとは生まれることだと俺は思う 胸が傷つ…

3

見映えのするレモン色ゆえ

日向での過ごし方を知る都度に寿命に付いた染みが確かに その胸の左側に潜んでる三日目の月をそっと抱き寄せ ノイズなく澄み切った空は隠しごとをさせてくれない何処にゆ…

2

はじめて言うけど昔から

傷むけど今更なんで俺も訊く 大地はお前に何か言ったか? 投げかける中心は一つだったか?言いたいことばばかりだったさ ひかりとは生まれることだと俺は思う 胸が傷つ…

3

今朝の夢

神社と神社の婚姻の夢を見た。 神様同士の結婚。 強ければいいんだろ?って感じの龍神と、知的な神の結婚。二柱は一つになり、キングギドラみたいな八本首の輝く金色の龍に…

短歌九首 水と光の週末

透明に一番近い色はなに?微笑む君と答え合わせを 透明も深みを知れば闇色で わたしはここよ深海の星 赤だけは血液の方が光より美しいって君は泣いてる 天国の色をつけ…

短歌三首 青と哀しみ

暗闇にこぼれた涙は日鱗の光を見ない君であるから 哀しみはどうして青い?という台詞 光で隠すような顔です 恥ずかしいほど透明だ空っぽの心で眠る青い水槽

悲しみは正義

”悲しみは正義” 人前で顔を歪めて歌えれば日曜の朝の悲しみは正義  揺れる声 雨の中に溜まってくいつかの海に君は成るんだ 悲しみは流れるものと思ってた花よ笑っ…

思い出の中の貴方に似て

止まった時の記憶が、心の部位を凍らせていて、大人になるのを阻んでいる。歪に成長してしまった胸中は、そんな未熟な自分を足手まといと感じ攻撃してしまうのだけど、実は…

十音の灰(一~六話)

十音の灰                          つばきあろ(著) 貝殻に、君の名前を書いて、流したら、寄せては引いてゆく波間に、君を呼ぶ声がずっとこ…

こころある

こころある

自分が一面では 或いはある時期には さらにはある瞬間には 心ない人であったと言う事実を振り返り認め 苦しくもそれを認めることを決心し こころある人を目指す在り方に入ること それが今の自分の精一杯であろうと思っている

今まで他者を 大いに見下してきたし 嫌悪してきたし 馬鹿にして軽んじてきた節もあった 自分ではそのことに気が付かないほどにそれに馴染んでいたので 救いようがなかった そして自身は見下

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最近の短歌

マシュマロのようなミットで捕捉するしあわせはきっと最速の君

君の目はX線で胸中を白黒にして告げる初恋

欲浅いフリをしているアンコウの灯火みたいなやさしさを振る

溶けるまで氷はじっとしているね 忘れられてく痛かったこと

最近の短歌十六選

最近の短歌十六選

気づいたらどうやら僕はロックよりカントリーフォークで息をしている

貴方はいる歌う歌の中に描いた絵の中に語る言葉の中に胸の中に

捨て去った概念的なくちびるは君がどこかに居ると知ってた

不滅にてゆっくり溺れてゆく日々の朝ごはんを二人で食す

吹き出しのついたセリフみたいにさ行ってきますを言うよ春から

ハッピバースデー ホールケーキを切り分けて自由になった僕たちの生

他愛ない思い出の中に光る君

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音楽 (三首と一首)連作短歌

音楽 (三首と一首)連作短歌

 音楽は年を取らない いつまでもあだ名で振り向く友達みたい

 音楽は年を取らない 胸の中で凍る涙が奏でる歪み

 音楽は年を取らない 夏暮れの行き場を失った追憶

 置き去りにした弟に背を抜かれイヤホンをしたまま眠る夜

身体を思い出す未明

身体を思い出す未明

投げかける 中心は一つだったか?言いたいことばばかりだったさ

一抹の不安となって消えて行く 歩く速さの風を受ければ

ひかりとは生まれることだと俺は思う 胸が傷つきやみが潜むけど

傷むけど今更なんで俺も訊く 大地はお前に何か言ったか?

大脳の端っこに住む僕のこと君は奥深くから視てる

隠れたいゆけるとこなどもうないしでもねご飯を買いにいかなきゃ

寒くても洗濯物は乾く日でどこに向かうかも決め

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見映えのするレモン色ゆえ

見映えのするレモン色ゆえ

日向での過ごし方を知る都度に寿命に付いた染みが確かに

その胸の左側に潜んでる三日目の月をそっと抱き寄せ

ノイズなく澄み切った空は隠しごとをさせてくれない何処にゆこうか 

別れ際の雨には色がついている目を閉じたまま母が呟く

真向かいの貴方が通りすぎた風と少し過去になった私と

泥色の虹を見ている午前三時君の指先も溶けて来ている

切り札の君を残して終わる世に死に戻ったら檸檬紅茶を

1ドット

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はじめて言うけど昔から

はじめて言うけど昔から

傷むけど今更なんで俺も訊く 大地はお前に何か言ったか?

投げかける中心は一つだったか?言いたいことばばかりだったさ

ひかりとは生まれることだと俺は思う 胸が傷つきやみが潜むけど

一抹の不安となって消えて行く 歩く速さの風を受ければ

今朝の夢

今朝の夢

神社と神社の婚姻の夢を見た。
神様同士の結婚。
強ければいいんだろ?って感じの龍神と、知的な神の結婚。二柱は一つになり、キングギドラみたいな八本首の輝く金色の龍になった。このような婚姻が更に二回起こり、東西南北が統一された。

世界は白かった。

短歌九首 水と光の週末

短歌九首 水と光の週末

透明に一番近い色はなに?微笑む君と答え合わせを

透明も深みを知れば闇色で わたしはここよ深海の星

赤だけは血液の方が光より美しいって君は泣いてる

天国の色をつけたの?パリは夜 あなたに必要だったのは友

パラダイスandランチでピクニック 六畳一間で白昼夢を駆る

素直さは色でも形でもなくてただ春雨の中を走った

愛の深い生きものだった僕らまだ 別れ間際もおどけて見せて

禁断の果実の芯を眺

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短歌三首 青と哀しみ

短歌三首 青と哀しみ

暗闇にこぼれた涙は日鱗の光を見ない君であるから

哀しみはどうして青い?という台詞 光で隠すような顔です

恥ずかしいほど透明だ空っぽの心で眠る青い水槽

悲しみは正義

悲しみは正義

”悲しみは正義”

人前で顔を歪めて歌えれば日曜の朝の悲しみは正義 

揺れる声 雨の中に溜まってくいつかの海に君は成るんだ

悲しみは流れるものと思ってた花よ笑ってさよならしよう

降りしきる声が著す鼓動には君の秘めてる日記が読める
#tanka

思い出の中の貴方に似て

思い出の中の貴方に似て

止まった時の記憶が、心の部位を凍らせていて、大人になるのを阻んでいる。歪に成長してしまった胸中は、そんな未熟な自分を足手まといと感じ攻撃してしまうのだけど、実はその未熟な部分が自分の純粋さを保っている、清潔な部分なのだと思う。
子ども心に、好きだった人が亡くなったことがあり、その時から、自分が生きていていいのかどうかが分からなくなった。自分を好いていてくれた人が亡くなった時もあり、それ以降、迷いは

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十音の灰(一~六話)

十音の灰

                         つばきあろ(著)

貝殻に、君の名前を書いて、流したら、寄せては引いてゆく波間に、君を呼ぶ声がずっとこだましていた。降り積もった落ち葉を割って歩くみたいにさ。
 波間に声を数えれば、永遠に生きた君の鼓動もきっと安まるだろうって、僕はそう思ったよ。

海凪鳥の群れが鈴の音を薄めたような微かな声で鳴けば、数日の間に海は静まる。海荒町の労働者

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