俺が最終的にやりたいこと
大久保公園の周りに立っている女性や、トー横キッズと呼ばれる子たちの支援をしているnpoに参加しており、その活動を通して、大きく3つの段階の支援が必要であると考えます。
第1段階は、衣食住の確保です。
家に帰れない、住む場所がない、という子供は多く、そのような子供たちに安心して住める住居を提供すること、また、食べるものがない、という子供も多いので、できれば冷凍食品やコンビニなどではなく、誰かが作った食事を温かいうちに提供できる、ということが、最低限度の生存を保障するという意味で必要だと考えます。
第2段階は、心理的支柱の形成です。
さまざまな教育系のNPOの方とお話しし、また僕の僅かな経験を踏まえても、親からの虐待経験がある子供や、学校で問題があった子供は、自分自身に価値を感じられていない場合が多いです。
その場合は、支援者がいくら支援をしようとしても、「自分はどうせダメだ」、「自分には価値がない」、「頑張ったってうまく行かない」などの態度や発言が子供に多く見られ、支援者を困惑、躊躇させています。
そのような子供に対して、きちんと話を聞いて、本人が本質的にどうしたいのか、という部分を子供のペースに合わせて聞いていく、ということができる専門性を持った支援者が必要です。
しかし、良く訓練されたスキルと、また人間的なセンスが必要とされる支援であるため、NPOや教育機関においても、子供のニーズに対してその支援を十分に行うことができる人材は不足しているように感じます。
第3段階は教育、就労の支援です。
学習に遅れがある子や、器質的な問題を抱えている子もいると思います。
高卒や大卒の資格を取るのか、そのための学習支援を誰が行うか。
また、就労するとしたらどのような期間に就労し、その後のアフターケアをどのように行なっていくのか、などの課題が存在します。
裏返して言えば、教育支援が成立するまでには、まず生存できる環境を保障すること、そして、子供自身の自己価値観や興味を取り戻すことが必要である、と考えます。
以上、現在の日本社会に必要であると個人的に考えている支援の全体像について述べました。
概して、子供たちの人生を取り戻すことは非常に困難であり、絶望的、とも言えると思います。
ですが、彼らの人生が毀損された背景には、家庭環境や学校環境、生来的な器質など、決して彼ら自身に自由な選択ができた要因ではなく、従って、彼らに責任を帰属できない要因が数多くあると考えます。
そのような強制的なアンフェアに対して、それを緩和するような社会的リソースの提供やリーチをすることが同じ社会に生きる大人としての責任であると思います。
一方で、現在の社会においては、そのようなリソースが全体的に不足している、と認識しております。
そのため、第2段階の心理的支柱の形成を僕自身の専門性としつつ、他の支援についても各機関と連携して整備していきたいと考えています。