FillIn The Gap | 休学を経た素人によるAnna magazineでの連載
FillIn The Gap #2
ドタバタ、あめりか縦横断の旅 vol.1
Contributed by Haruki Takakura
Los Angels 編
"「これからどこまで自分の世界を広げられるだろうか」
この春ファッションの世界に飛び込んだHaruki Takakuraさんが、世界との距離を正しく知るために、デンマーク・コペンハーゲンで過ごした小さくて特別な「スキマ時間」の回想記。"
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(是非、この記事を読み終えてから戻ってきてね🫶)
先日、ようやく日本のスーパーヘビー級の国境が開かれるとのニュースがあった。それと同時に、イタリアへと旅行中のルーカスから着信がくる。
「ようやくだね」
「ね〜、めっちゃ待った」
関西弁バリバリの日本語を話している方がルーカス。出会った当初からこの方言バリバリの日本語を話すものだから、当初はかなり驚いた。
ルーカスと最後にお別れをしたのが、早2年前の夏のこと。デンマークの夏が終わりに差し掛かってきた頃で、2人とも長袖を着ていたことを覚えている。コペンハーゲンの中心地に構えられた海との垣根を極力なくしたプールには、関係なく人が飛び込んでいたけれども。
さて、冒頭の「自分でそんなん書けんの?」って思われるような素敵な自己紹介について少し説明したい。
実は今年の5月から、Container | anna magazine にて様々な「スキマ時間」に経験してきた旅の記憶をエッセイとして寄稿している。
僕にとっての「スキマ時間」とはトンネルのようなもので、そこを通り抜けるとあたかも別人のように違う世界を備えた自分になれる。例えば、夏休みだったり、僕が経験した何者でものなかった休学期間もその一つ。
こうした一種の空白のスキマ期間には、気分が浮かれ上がる。休学の場合なんか、課題すら気にする必要がないのだから、そりゃあねえ。
僕の場合、自分から「何かしてやろう」と予定を立てるのは、いつもOFFとされているスキマの期間だった。
そうなってくると、学校に通う期間はむしろ ON ではなく OFF で、そういうスキマ期間こそが ON なのではないかとも思ったりもする。
そうそう、この冒頭の自己紹介はそんなスキマ期間についてのエッセイを連載させてくれている anna magazine の編集者さんが書いてくれた文章。さすが、魅力的でついつい気になってしまう自己紹介。
これから、日本の国境が全面的に開かれるということは、円安も相待ってもっと多くの国籍が異なる地球人たちを日本で見る機会が増えるということでもある。
そうすれば、自然とその人たちが来る日本以外の場所への好奇心もどんどん駆り立てられ、日本人の海外渡航も増えていく。
社会人になって気づくことは、圧倒的な時間のなさ。やっぱり学生時代ほどの自由な「何者でもない期間」は減ってゆく。
それでも0でないことは常に心に留めておきたいと思っている。場所や自分のステータスに関係なく、スキマ期間は人生の中で作り続けられるものであるし、学生であればなおさら積極的にもっと作り出した方がいい機関であると思う。
きっと、後の自分が感謝する世界観や経験値が身に付く期間になるから。
だから、いま学生として何をすればいいかわからなかったり、社会人として休日のリフレッシュのために、いわば「働くために働いている」人にとって、スキマ期間は大切だということを伝えられるきっかけを作るために文章を書き続けている。
今は、大学生の夏休み期間にキャンピングカーで走り回った「ドタバタあめりか縦横断」だったり、休学期間に経験したデンマーク生活でのスキマ期間をこれからも記事にしていく。
記事を書くということは、経験を不変の情報に変えることと思われがちだが、僕の中で記事に起こした記憶は常に変わり続ける。記事を読んだみんなにも、不変の情報を記事を通じて知った後に、自分の中で生き続ける記憶へと変換してもらえると嬉しいと思っている。
つまり、旅に出てほしいということだ。
周囲にも社会人2・3年を迎えて、自分の殻を破り捨てて「スキマ期間」に突入しようとしている友人がちらほら出てきている。そういう人たちを見ると、つい人生の本質や自分の生き方について再び考えさせられる。
趣味?仕事?お金?楽しさ?
あらゆる葛藤もまたくぐり抜けると、想像だにしない景色が広がるトンネルである。こうした葛藤を日々持ちながらも、夏休みを経てひと回り大きくなる子どもたちのように僕たちも変わり続ける。
End.