
ダメなわたしにマル。
わたしは、がんばれない。
やりたいと思っても、やれない。だらだらしてしまう。
関係ないことを始めてしまう。
SNSを長時間、眺めてしまう。
そして、時間だけが過ぎてしまい、夜遅くなってあきらめて寝る。
「あぁ、またやらなかった。」
罪悪感と自分を責める感覚がうっすら漂う中、一日を終える。
「もう、がんばれない。」と思った。
そして、それでいいって今日、自分に言ってあげた。
わたしの姉は大手企業で役職をもって正社員で働いている。
結婚もして、子供も2人いて、家も車もある。
お金の知識が豊富で投資でも、儲けている。
わたしは、アルバイト生活。
親の持つ家のアパートのような部分に家賃タダで住んでいる。
そして、独身。
自分をダメなヤツと思っていた。ずっと。
姉のようになりたかったんだと思う。
フツーな生き方。みんなと同じ生き方。みんなでいう立派な人生。
それができないわたしを認められなかったんだ、きっと。
親が認めてくれないから。そのままを愛してくれないから。
みんなと一緒じゃなきゃ許してくれないから。
わたしを見失っていた。
いつからがんばれなくなったんだろう。
中学生の途中まで優等生だった。絵にかいたような。
1日8時間は勉強した。学年でも1位2位の成績だった。
部活でも1年生でスタートメンバーだった。
学校を代表してアメリカにホームステイに行った。
生徒会に立候補するよう推薦された。
でも、そこから見えた景色はモノクロだった。
このままいい大学へ行き、いい企業に入り、収入のいい男と結婚し、子供を産む。
そんなのわたしの人生じゃないと思った。
他のひとの人生だと。
がんばる意味をなくした。
高校は進学校だった。
わたしはバレー部に入り、毎日練習に明け暮れた。
父が怒った。
「勉強しろ。勉強と本を読むこと以外は、くだらない人間がすることだ」と。
わたしをバカな人間だと、だからお前はバカなのだと日々怒られた。
母は、部活に必要なお金がもったいないと嫌味を言ってきていた。
もう、辞めろと。
部活では、上下関係が激しく、緊張感があった。
でも、先輩はわたしを可愛がってくれたし、仲間もよくしてくれた。
顧問も期待してくれていた。
家でも学校でも、部活でも緊張感が続いていたせいもあり、
ケガが多くなった。
ある日、練習試合で足に大けがをしギブスをして帰った。
顧問が車で送ってくれたが、母は礼を言わなかった。
父は帰ってくるなり、わたしのギブスをしている足を蹴り上げ、
「お前はバカかっ」と怒鳴りちらした。
わたしは、それまでもっていた張り詰めた緊張感がプツっと切れて、
部活をやめた。
もう、がんばれなかった。
そして、ひどく後悔した。
先輩や仲間、顧問の期待を裏切った。
あんなによくしてくれたのに。
部活の仲間から孤立したような寂しさも日々あった。
なにより、自分自身を裏切った。
あんなに大好きなバレーボールなのに苦しいからってやめたって、
自分を責めていたんだと思う。
がんばれる人は、何があったってやり遂げる。
でも、わたしは逃げたと。
あれから、がんばれなくなった。
受験もがんばれなかった。
みんなみたいに正社員になったけど、続かなかった。
そんなダメなわたしを責めていた。
でも、それでいいとわたしに言う。
みんなみたいになれなくていい。
姉のように生きなくていい。
わたしがわたしであればいい。
そして、どんなダメでも、周りにバカにされても、
周りの期待に応えられないダメなわたしでもいい。
わたしは、一生懸命だった。
周りの期待に応えようと。
苦しい環境でも、苦しいを感じないように必死で一生懸命だった。
もう、疲れたんだ、きっと。
ダメなわたしでもいい?って、わたしに聞かれている気がした。
だから、いいよって応える。
わたしは、わたしの期待に応えようと思う。
わたしを受け入れてあげようと思う。
何かができるから、受け入れるのでもなく。
お金をたくさん稼いだから受け入れるのでもなく。
名誉あることを成し遂げたから受け入れるのでもなく。
どんなダメなわたしでも受け入れる。
大切に想う。
そう決めた。
だって、あんな家庭環境でよくやってきたもん。
どんなに辛かっただろうって。
今、がんばれないのは自然なのかも。
恐かった、毎日。
今日、生きているわたしにマル。