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相手を知ることで成長を支援したい|私たちの職務経歴書 ~ 工藤 裕之

(本記事は、2021年5月にインタビューした内容をもとに編集しています。)

こんにちは!
マネーフォワード ビジネスカンパニーCCOの山本です。

「私たちの職務経歴書」シリーズでは、面接の場でみなさんとお会いする社員のこれまでの経歴、マネフォになぜ入社したか、今の仕事ややりがいなどをお伝えしています!

今回紹介するのは、ビジネスカンパニーの執行役員であり、横断BizOps本部 本部長もつとめる工藤さんです。

これまでご自身が前に出ることは極力控えてきたとのことですが、苦い経験を経て、今の組織づくりに繋がっているという、とても印象的なエピソードを聞くことができました。

マネーフォワードビジネスカンパニー 執行役員
横断BizOps本部 本部長
工藤 裕之
新卒でインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社し、約12年間一貫して人材業界に従事。営業からプロダクトやマーケティングの企画、事業計画や戦略策定等、ビジネスサイドを中心にゼネラリストなキャリアを経験。BtoBのマーケティング組織の立ち上げを経て、2020年からマネーフォワードに転職。手段を「バックオフィスを効率化させて生産性を上げること」に変えて、日本企業の生産性向上を目指す。「働く」を楽しめる世の中を本気で作ることをミッションに日々活動中。

ーー前職の仕事内容とマネフォに入社したキッカケを教えてください。

工藤:新卒から12年ほど、人材系の会社で営業やプロダクト・マーケティングの企画、戦略系の仕事を経験してきました。

前職には大きな不満はなく、むしろたくさんの機会を与えて頂けたので、育ててもらった感謝しかないのですが、大手企業だったこともあり、新しいプロダクトを生み出すのに1年ほどかかってしまう状況でした。ステークホルダーの調整やディレクションなどの準備に時間がかかるんです。必要なことと思いつつも、より重要なのはスピード感をもってプロダクトをお客様に届けすることだと感じていました。

スピード感のある環境に身を置きたいと思うようになり、スタートアップやベンチャーへの転職を考えはじめました。

山本:数ある選択肢の中からマネーフォワードを選んだのはどんな理由からでしたか?

工藤:最終的にマネフォを選んだ理由は2つあります。ひとつは、自分のミッションである「日本企業の生産性を上げる」ことを実現できる会社だと思ったこと。

前職でも「雇用の流動化」という面で、企業の生産性を上げる仕事をしたいと思っていたのですが、自分の仕事が生産性アップにつながった手触りを感じられなかったんです。

マネーフォワードなら「バックオフィスのDX化」という手段で、オフィスの無駄をなくせば、そこで働く人たちが生産的な仕事をできるようになり、結果的に日本の生産性を上げられる仕事ができるのではと感じました。

もうひとつは、自分のキャリアを活かせると感じたことです。私はセールスやプロダクト企画、マーケティングなどゼネラリストとして働いていて、後半はマネジメントを経験しました。

組織として急拡大しているこの会社なら、こうした経験やスキルを活かせそうだと感じました。

ーー実際に入社してみて、どうでしたか?何かギャップはありましたか?

工藤:スタートアップ企業のスピード感を求めて入社しましたが、想像以上のスピードでしたね。そのスピード感を表現するとしたら、前職と比較して、意思決定の数が3倍くらい多く、3年かかることを1年で、というイメージです。

意思決定の数が多い理由としては、権限委譲されていることだと思います。事業にかかわる大枠の意思決定は任せてもらっていますし、上司であるCOOの竹田さんはその決定を後押ししてくれるメンターのような存在です。

マネフォは責任を負いながら意思決定したことは「やってみたら」と背中を押してくれる会社だと感じます。心理的安全性のある組織ですよね。

ーー現在の仕事内容とやりがいを教えてください。

工藤:現在は、ビジネスカンパニーの執行役員としていくつかの本部の管掌をしています。

またMFBCの横断組織である、横断BizOps本部の責任者でもあります。今後の事業の戦略策定やリソース調達、体制構築、意思決定などが主な業務です。

仕事のやりがいは、社会課題に向き合って解決することができ、顧客の役に立っているという手触りを感じられることですね。お客様は企業の経理担当者がメインなのですが、「業務で困っているから助けてほしい」というお問い合わせが多く、我々に対して課題解決して欲しいという期待を感じています。

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私たちに問い合わせいただいた結果、最終的には他のバックオフィスSaaSのサービスを利用することもあるかもしれません。でも、結果的にお客様の生産性向上につながったならいいと思うんです。

山本:当社のValueである、ユーザーフォーカスとフェアネスそのものですね。

工藤:おっしゃる通りです。そんな気持ちでライバル企業と共に、社会課題を解決できるSaaSマーケットを加速させたいです。もちろんその中でマネフォが先陣を切る形にしていきたいと思っています。

ーー工藤さんから見て、マネフォで働く社員の共通点や傾向はありますか?

工藤:自分の描くキャリアやMissionを成し遂げたいという明確な意思がある人が多いです。そして、受け身ではなく高い当事者意識で仕事に取り組み、裁量をもって働いています。

私もそうですが、仕事の価値観として「社会課題を解決したい」という想いをもっている人も多いですね。

特徴的なのは、企業カルチャーが非常に浸透していること。私も前職でさまざまな企業を見てきましたが、カルチャーが浸透している企業は、新卒比率が高いことが多いんです。でも、マネフォは中途社員の割合が多いのに、非常にカルチャーが浸透しているんですよね。これって実はすごいことだと思います。

山本:カルチャーの浸透を感じた具体的なエピソードってありますか?

工藤:コロナが拡大した際に、ユーザーが困っているという理由からプロダクト開発チームが爆速で動き、数日でマネーフォワード クラウド請求書の機能を無料で提供しました。正直、かなりびっくりしました。一般的な会社だと考えられないスピード感に驚かされました。

SpeedやUser Focusといったカルチャーが浸透していて、みなが同じ方向を向いているマネフォらしいエピソードだと思いました。

山本:カルチャーが浸透している理由を工藤さんはどうみてますか?

工藤:2つあると思います。ひとつは、意思決定に迷ったときに、会社として大事にしているバリューに立ち返って考えられていること。

もうひとつは、採用においてスキルや能力以上に、カルチャーにマッチするかを重視しているからだと思います。カルチャーが合わないところで働くと、会社と人がお互いに不幸になることをよく理解していますよね。

ーー入社約一年後に本部長の仕事に就かれました。組織にアジャストするために工夫したことや実践したことはありますか?

工藤:組織は生き物なので、今何が起きていて、どんな状況なのかを常に知っておくことが大事です。そのため、一人ひとりとの対話を重視しました。

対話と言っても、こちらが誰かもよくわからない人に、突然「今日はいろいろ教えて」、と言われても、まず本音は出ないだろうと思いますし、意見なんて出てこないですよね。なので、まずは「自分はどういう人間で、こうなりたいと思っているし、みんなとこうしていきたいと思っている。」と先に自己開示をしてから、相手にも何をやりたいのか聞くようにしています。

山本:対話ができるように、お互いの心理的安全性を自ら作りに行くイメージですね。

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工藤:そうですね。あとこれは持論なのですが、人材育成という言葉はおこがましく感じちゃうんですよね。マネジメントは、その人が能力やスキルを発揮できるよう支援すること。でも、相手を知らないと支援できない。だからこそ対話が必要なんです。

山本:今の話を聞いて、先日はじめてリーダーになったメンバーと話していた時のエピソードを思い出しました。

あるとき、彼がマネジメントについて工藤さんに相談したところ、「チームのメンバーがどんな人なのか、3ヶ月後に教えて」という宿題をもらったので、1on1や日々のコミュニケーションを工夫したりして、3ヶ月後に報告に行ったそうです。

すると、工藤さんからは「全然足りない」と言われ、工藤さんご自身がメンバーの人柄や思っていることについて書いたノートを見せてもらったそうです(誰の。とは言わなかったそうですが、彼は自分について書かれているページだと感じたそうです)。

その内容の深さが自分とは全然違っていて、とても勉強になったし、もっとマネジメントを学びたいと思った!と言っていました。

工藤:…なんだか涙が出そうです。ちゃんと伝わっているんだなと思うとうれしいですね。こういうときに、マネジメントをやっていてよかったと思います。

ーー工藤さんのマネジメントのポリシーができあがったのはいつですか?

工藤:マネジメントをやり始めた当初は、対話を重視せず自分のコピーをつくるマネジメントをしていたんです。正論をぶつけるのでメンバーは反論できないけれど、不満はたまるし成果も出ません。

チームの目標を達成するために、最後は全部自分が巻き取って、なんとか目標を達成しているような状況でした。

山本:今の工藤さんからは想像できないですね…!

工藤:一人で悩み頑張り続けることに疲れて、プライドを捨ててマネジメントがうまい同期に「マネジメントを教えてほしい」と頭を下げてお願いしたことを今でもよく覚えています。そうしたら、こう言われたんです。

「工藤くんがすごいのはわかる。でも、メンバーにも同じレベルを求めるのはどうなのか。メンバー一人ひとりが何をやりたいと思っているか、理解してる?」

山本:厳しい一言…。

工藤:そのシンプルな問いに、本当にハッとさせられましたね。そんな対話なんてしてこなかったので、答えられないんですよ。

メンバーの考えていることなんてわかるわけないんです。そのときメンバーとの対話不足もそうですし、関係性の質、みたいなことの重要さを痛感しました。

そこで、翌日メンバーを集めて「僕に対する不満があったら言ってほしい」と伝えました。めちゃくちゃ辛辣なことも言われましたがスッキリしましたし、自分が動いたらみんなも心を開いてくれたんですよね。

良かれと思って自分で仕事を巻き取ったりしていたのですが、メンバーからすると、「任せられていない」「信用されていないのではないか」という思いになっていたと聞いて、知らず知らずに成長の機会を奪ってしまっていたのか、と気付かされました。

なるほど、これが仕事を任せるということか、と理解できた出来事でしたね。

それまで「リーダーたるもの全てにおいて一番でなければ」と肩肘をはっていたのですが、むしろみんなに任せることこそが大事なんだと思えるようになりましたし、困っているときに支援することが成長に繋がるんだと思えました。それが自分のマネジメントの原体験なんです。

山本:翌日にすぐ行動できる工藤さんもすごいですね。はじめは誰でも悩み苦しみ、それでも乗り越えられると勇気をもらえるエピソードですね。

ーー今後、どんな組織を作っていきたいですか?

工藤:マネーフォワードのミッションのもとで、みんなが一体感をもって情熱を注げる組織にしていきたいです。

私のマネジメントポリシーでもある「個々人のやりたいことを、実現するための支援者になる」ことを大事にして、成長の機会を作り、自分以上に活躍する人を輩出していきたいです。

また、組織の拡大に伴って新しい仲間が増えていますが、組織のスピード感が落ちないよう、想いを共有していきたいです。

山本:素敵ですね。これからますます強い組織に成長していくのが楽しみです!

ーー最後に、工藤さんのプライベートについても教えてください!

工藤:休日はSUPフィッシングしたり、愛犬のちゃちゃ丸と遊んでいます。

山本:SUP フィッシング!??オシャ過ぎませんか?????
え…ちゃちゃ丸!???? 可愛すぎませんか♡♡

ちょっと突っ込みたくなるエピソードが突然出てきて、パニックです(笑)
これは他の機会にゆっくり聞かせてください!

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SUPフィッシングのボード。この上に座って海上で釣りをするそうです!

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愛犬のちゃちゃ丸。2歳の女の子♡ 溺愛っぷりが伝わってきます✨

編集後記

最後はパニックになりましたが(笑)
穏やかな口調でお話される工藤さんのエピソードに私もどんどん引き込まれてしまいました。ご自身も失敗や苦労を経験したからこそ、メンバーに対して時に厳しく、そして優しく包み込むようなマネジメントをできるのだろうなと納得です。

次回は、クラウドERP本部の峰島さんのインタビューをお送りします!

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