概念お茶席やってみた#1
はじめまして、はるかわです。
ご縁があり概念お茶会をやることになりました。
準備からいろいろ頑張ったのでこんなことを考えていたよ~などの忘却禄として残します。
概念〇〇とは
漫画やアニメ創作物のキャラクターをイメージして表現する媒体のことを指しています。キャラクターの要素を〇〇で表現する、といったものです。〇〇に当てはまるものは香水やカクテルなどが有名でしょうか?キャラクターだけでなくキャラ同士の関係性などを表現することもできます。
今回は好きな作品やキャラクターをイメージした中国茶・台湾茶のお茶会をします。
きっかけ
私は普段は恋愛メインのノベルゲームを中心に活動しています。中国茶・台湾茶はオタク活動とは関係なく好きでしたが、身内が概念〇〇を体験しているのをみて「これお茶でできるんじゃね?」となったのでやることになりました。
事前調査
まず参加者にアンケートを取りました。
アンケートの内容はこんな感じです。
1.イメージしたい作品の資料を教えてください
2.お茶会に組み込んでほしい設定がありましたら教えてください。
3.イメージカラーを教えてください
4.お茶は好みに合わせますか?
5.普段よく飲む飲み物はなんですか?
6.よく飲むまたは好きなお酒はありますか?
7.苦手な味、アレルギーはありますか?
他の概念〇〇を参考にアンケートを作成しました。
>1.イメージしたいキャラ/ゲームの資料を教えてください
>2.お茶会に組み込んでほしい設定がありましたら教えてください。
>3.イメージカラーを教えてください
お店の概念〇〇だと版権キャラや実在の人物の名前を出すのはNGの場合があり、自分の言葉だけでオーダーシートを記入するんですよね。(営利的な問題だと思います)出てきたものは”自分の解釈”すぎて、私の考えたものだな~という印象になったことが忘れられません。。。(これは私のオーダーが悪かっただけです)
お茶会に参加するお二人は知り合いかつオリジナル作品なので作品を読ませていただいた上でのお茶会でした。ですので今回に限っては"他人の解釈"として楽しめたのではないかなと思います。
>4.お茶は好みに合わせますか?
>5.普段よく飲む飲み物はなんですか?
>6.よく飲むまたは好きなお酒はありますか?
5,6の質問は飲み物の傾向によってお茶選びの参考にします。4の質問で飲みやすさを優先されていたら考慮しますが、今回は参加者2人とも概念優先だったのであまり参考にしていません。お茶の選択に悩んだら参考にできたはずですが即決のものが多く特に気にしませんでしたね。
飲みやすさを優先された場合は、飲んでいて癖が強いものやボディが強いものは避けて準備します。お茶の構成も飲み続けやすくなるように考えます。つまり概念優先にするとこの考慮がいらなくなるので初めて中国茶・台湾茶を飲む方には絶対にやらない構成になってしまうんですね。でも概念優先と言われたので遠慮はしません。お茶選びの腕がなります。お茶選びが一番楽しかったです。
お茶の収集
アンケートで答えていただいた作品を参考にお茶選びをしていきます。
ざっくりどういうものを表したいのか書き出していきます。どちらの作品にも中国茶・台湾茶は全く関わっていません。ひたすらキャラクターとストーリーを言語化し、言語化したもののイメージが近いお茶を想像します。
先日Aさんのお茶会をしたので今回のnoteではAさんの作品を中心記載します。Bさんのお茶の選定は次回。
Aさんの作品は恋愛ものの作品。
・繊細
・甘い
・二人の世界
をテーマに探していくことにしました。
中国茶で甘くて繊細となると芽を使ったものかな~と今まで飲んだことのあるお茶感想リストからイメージが近いものを思い出してピックアップしていきます。ここでざっくり出すお茶の方向性を決めていきます。
今回のお茶会の構成はキャラクターごとのお茶2種類、ストーリーに沿ったお茶を2種類の計4種類用意することしました。
1種目:キャラクターベース。仕事ができるクールな大人の男性だが几帳面自信家見栄っ張り
方向性:芽を使った紅茶か黒茶。水色は紅色で威厳があり華やかでクールな大人を表現。甘みが強いもので恋人にデレデレなところを表したい。
2種目:キャラクターベース。温厚で優しく平和主義、友達が多い、過去が暗い、共依存
方向性:台湾茶、発酵度が低く焙煎されているもの。台湾茶の発酵度が低い焙煎されたお茶は非常に飲みやすく万人受けする。温厚で友達が多い部分を表現したい。
3種目:ストーリーベース。あることかがきっかけで二人は喧嘩をしてしまう。しかしお互いのことが大好きなので意地とも許したいなという気持ちでぐらぐら揺れ動いている
方向性:緑茶。トールグラスで茶葉が上下するところから意地の張り合いで揺れているところを表現したい。
4種目:ストーリーベース。離れたことにより強くお互いの大切さを確認する。
方向性:花茶(お茶に花で香り付けしたものジャスミン茶など)
中国茶・台湾茶は種類が多く味の幅が非常に広いのでブレンドされたものは選びません。カクテルなどである1杯でキャラクターの要素を2人分表現するということはできないので、4種類淹れれるなかで表現できるように頑張りました。
また、お茶会では1種類につき4煎飲みます。1煎ごとにお茶の味に変化があるのでこの変化によってキャラクターの性格やストーリーの展開を当てはめていきます。
実際に決まったお茶なんですが、このお茶にする!!と決めて買いに行ったものはほとんどありません。普段行かないお店に足を運んで試飲したり、通っている中国茶の講座に出た時にビビっと来るものがあったのでこれに決めた!という感じです。
あらかじめ方向性を決めていなければビビッとは来ないので決めておいたのはよかったです。お茶の出会いは一期一会ですしね。
そんなわけで2か月ほどいろんなお店で飲み歩きお茶は決まりました。
茶器の収集
お茶と同じくざっくりこういうのやりたいな~というイメージを決めました。
・繊細
・きらきら
お茶席のイメージはこの二つです。
このイメージが合うのはガラスかな~とお茶席の中心になる蓋碗(急須のようなものです)を探すことにしました。
しばらく中国のネットサイトとにらめっこしていましたね~。日本の中国茶・台湾茶のお店にも茶器は売っているのですが理想的なものなかなか出会えず難航しました。
ネットサーフィンしていたところ、キャラクターのイメージカラーである青と紫に反射するガラスの蓋碗を発見したので迷わず買いました。
あの時は気持ちよかったですね。
中心になる蓋碗が決まったので自分が持っているものと合わせながらお茶席を考えていきました。
Instagramに掲載されている中国茶のお茶会イベントの写真や実際に参加したお茶会を参考にしながら考えました。
今回はお盆にミラーを使いたかったので茶拓にはシルバーの茶拓を使用して統一感を出すようにしました。
バラは作品内の私が大好きなシーンに使われているので絶対使いたかったんです。花瓶はこだわりの八海山です。この辺りは大喜利ですね。
キャラクターや作品の要素を出しながらお茶席として成り立つように考えるのが非常に大変でした。悩んだ分意外といい感じにまとまったので気に入っています。
テキストの作成
茶葉とお茶席が決まったのでテキストを作成しました。
概念〇〇ではなんでこれを選んだのか解釈と理由を記載したテキストをもらいます。これ読むのが楽しいんですよね~!他人の言葉で出される他人の解釈はとても楽しい気持ちはよくわかります。なので概念お茶会をやるにあたりこれは絶対作るぞ!と決めていました。
また、今回のお茶会を通して中国茶・台湾茶っておいしいということを知ってほしかったので今後手を出しやすいようにお茶の概要も入れています。出来上がったテキストがこちらです。
一例として福建緑茶を出します。
左のページにはお茶の情報。右のページには解釈についての説明書きを入れています。ページの下部には飲んだ人が感じたことをメモできるようにメモ欄を入れています。
お茶の説明には、気に入ったら買えるように販売場所を記載しています。
今回はあまり気にしていませんが次回のお茶会では産地も関わってくるので記載しています。
また、お茶についての解説を入れています。中国茶・台湾茶は特に普段なじみがないと思うので少しでも身近に思っていただけたらと入れています。
解釈については大体1種類につき280字を目安に入れています。280字×4種類+茶器の説明=1500字くらいでしょうか?
お茶会ではなるべくお茶の味に集中してほしいのでメモを取らなくてもいいように話すことをほぼ文字に起こすようにしました。
メモ欄には飲んだ方の感想だけでなくどんな味を感じたかチェックできるチェックボックスを用意しています。
中国茶・台湾茶って初めて飲むと感じた味を言語化するのとても難易度が高いんですよね。いままであまり感じたことのない味がするんですよね。私もいまだに言語化に悩まされています。チェックボックスには私が今まで感じたことのある感覚をいくつか記載しています。
どれを感じるのが正解とかはないのでこれかもと思ったものにいくつでもチェックを入れてほしいです。味を認識する糸口になればいいなと思って入れました。
このテキストを作成するにあたりお友達にご協力いただいたのでこの場を借りてお礼申し上げます。
事前学習
テキストを作りながら、解釈の部分に中国茶の分類がわかっていて方が理解できる部分があったので簡単な中国茶の講座を開きました。
中国茶の六大分類についてお話ししました。
お茶会本番
前日にテキストを印刷し、夜な夜な持ち帰り用の茶葉をつめ、ぎりぎりまで準備をしていましたがいよいよお茶会本番です。
茶拓を忘れました(恥)
お借りしてその場を乗り切りましたが、やらかしました。悔しい。心残りです。
4種類のお茶を各4煎ずつ飲んでもらい、煎による味の変化を楽しんでもらいました。
1煎目は甘々ですが2煎目以降甘みが消えるお茶の反応がよくうれしかったです。こちらのお茶はウキウキしていたキャラが喧嘩によりテンションがガタ落ちるという感情の起伏を煎により味が変化することを利用し表現しています。煎により味の変化があるのは中国茶・台湾茶ならではの表現方法になったのではないでしょうか。
お茶会自体は見知った顔というのもあり和やかに楽しくできたので初めてのお茶会としては大成功でした。中国茶・台湾茶もおいしいと言ってもらえてサイコーの気分です。
事後アンケート
参加者にアンケートを回答していただきました。
詳細な質問内容割愛します。
茶器の収集が一番大変だったので今後はなくしたいなと思っていたのですが、アンケートで「素敵でうれしかったので、なくなってしまうのは悲しい」といっていただいてしまい心が揺らいでいます。
反省
実際に参加した方が中国茶・台湾茶に詳しくないというところは大きな利点だったなと思っています。詳しくないからこそこちらの解釈の意図をお茶から全力でくみ取ろうとしてくださったのが非常にありがたかったです。やさしい。
普段は浄水でお茶をいれるのですが、お茶会ではミネラルウォーターを使ったところ解釈に合わせていた味にならず、なんだかいい感じにまとまってしまい煮え切らないところがありました。私の準備不足です。次回に生かします。悔しい。
今回は概念にお茶を合わせたこともあり、煎持ちがしないような「おいしい」の枠から外れるものを用意してしまったので改善したいです。
あと忘れ物はしたくないですね。
展望
事前講座は必要だなと思っていたのですが、アンケートでは「事前講座はあったらうれしいがなくてもいい」という意見があり意外でした。
事前講座0でやってみて理解度が変わるのか試してたいですね。
概念お茶会は次回の予定があるのですがあともう2回くらいやりたいですね。我こそは、という方がいらしゃったらお声かけいただければうれしいです。
今回のお茶会は以上になります。
また次回やったらnoteかきますね。では。