犬の決意。己れの決意。
朝、0.07の裸眼には、首をまっすぐに上げてこちらを見る犬は、縦書きの」(カギ括弧閉じ)の形に見えた。
ただ全体的に輪郭がぼわっとしていて、黒のところだけが、かろうじて形になっている。こちらのど近眼など犬にはわからないから、一体何をそう、じろじろと見てんのだという、見つめ合いの時間が随分長く続いた。
ふとこの子は決意というものをしたことがあるかな、と考える。
と言うのは、自分はある決意をした…つもりだったのだが、1日過ごすうちに、今やなし崩しになった。
結論は
だめ。あたし、結局仕事好きよ。ヨヨ…。
ってなことかもしれない。(それをOL時代含めて38年やっている。)
でも4時半に起きて「書物」を読んで「とある存在と通信して」心を整えるってことはしてみたいなぁ・・・。その上、玄関前やら家の中をきれいに掃除して整えられればなぁ…。決意と言うより憧れだなぁ・・・。明日にでもできるのだがなぁ…。
明日とりあえずしようじゃないか4時半起き。
犬の決意のことを書こう。
結論は
犬は犬生の見せ場で決意する
です。彼女の最も大きな決意は
買われる!絶対買われてみせる!
と考えた6年前の春のことで、その時詩人と自分はまだ、町田の仲見世通りにあるペットショップの営業看板犬を買い上げる、とは全く考えていなかったのだった。ただ色が黒いから「くー」とだけ仮の名を付けた。
くーたるや、犬なものだからこちらの考えることは当然分かり、名前までつけられちゃったんだから、さぁ、いつ連れて帰ってくれるか・・・とドキドキして檻の中にいる。同じ檻で同居していた赤い子犬が後ろからちょっかい出すと
今、大事な瀬戸際なんだから!!
とばかり、そのコに噛みついていた。かわいそうに赤柴は
きゃん
と言って、ひっくり返っていた。
「大人しい大人しい」と、ことあるごとに言われる、今のこの子が、あんなに怒ったのだから、あれはやっぱり決意だったのだ…。
結局買い上げられることのなかったその日、犬は
信じられない!!!
という顔をしていた…。いくら決意して実行しても、信じられない結果になることもある、ということを受け入れなくちゃぁいけないのだなぁ…。
会社成りを「決意」してからの5年間はすべて後からついてきた。向こうからやってきた。
「オリンピックブーム」という状況だった。
あの時、決意した犬が、うるうるした目で「あなたは私を買う」オーラを送ったみたいに、うるうるした目など一度たりとしたことはない。
これからは自分の好きなことをやりたいと「決意」すると、今後は自分ですべて実行しなければならない…。
向こうから来ることは決してあり得ない。
犬ですが、その春の日の出会いの後、とても暑い8月のある日
(あの子はこの暑さの中をどうしているのだろう)
と思った日に、うちの子になりました。半額で、明日にでも仔犬と言うには無理がある、みたいな大きさになっていました。
その上、あの時八つ当たりされた赤柴の方はもう買われた後で、一人、かわいそうな状況でした。
前の犬がバセンジーという、これはまた難しい犬だったものですから、ウチに来たその日、犬ってこんなに簡単なのね、とつくづく思わされたことを憶えています。
あなたが小学生だった時、クラスで一番大人しかった子…
それがウチの子です。
昼:鮭、胡瓜とトマトのサラダ、ミョウガと紫蘇と葱がもりもりの冷ややっこ
夜:スーパーの弁当。(これをやりたくないのよ…。全部自分で作りたいのよ…。どうしたらいいのか教えて…)
*今日はgomashio.shiopanさんの写真をお借りしました。ウチの子の場合は頬に、筆で首の方向に向かって墨をさっと書き上げたかのような墨汁の跡があり、両頬に白銅が付いています。