あてもないとまり木③ ・・・今日は何を食べてもいいの?
かっちりと決めない旅2日目午前は、岡山城と後楽園へ行った。
後楽園の駐車場は川沿いにあって、対岸を部活のトレーニングをしている高校生が次々と走り込んでいるのが見えた。
苦手な吊り橋を渡りながら、7月に訪れた祖谷のかずら橋を思い出して、2人で大笑いした。
今回は渋滞を作り出すことなく渡れた。
記憶や思い出が繋がるっていうのがうれしい。
岡山城は黒い下見板張りの外観から、「烏城(うじょう)」と呼ばれている。
中に入ると、お城にまつわる武将たちを紹介する資料や、見たり触れたりできる道具などもあって、娘も楽しんで学びながらまわった。
天守閣に籠城した時のための塩蔵があるお城は珍しいのだと知った。
日本庭園といえば、私たちに馴染みがあるのは明石公園。
明石公園もとてもいい。
そして後楽園は とても気持ちがよかった。
ずっといたくなる場所だった。
わたしは、流店という場所がとても気持ちよくて、寝転んだりヨガをしたりのんびり過ごした。
流店は中央に水路が通してある建物で、藩主の庭廻りや賓客の接待などで、休憩所として使われたとのこと。
今日は
わたし、賓客。
娘は鯉の餌やりに大忙しだった。
あまりの心地よさにお腹が空いたのも忘れてのんびりしていた。
午後から、瀬戸大橋を渡って四国へ出て香川からフェリーで神戸に帰ることを考えていたけれど、夕方のフェリーの時間には間に合いそうもないので、帰りは陸路に決めた。
そして帰る前にもうひとつ
娘のルーツの地に足を伸ばすことにした。
目的地は玉野。宇野港。渋川海岸。
娘の父が生まれた場所。
とその前に。
お腹が空いたので道中で見つけた地元の回転寿司のお店に入った。
お腹が空きすぎて、わたしも娘もトゲトゲとしていた。
「まま 今日は何を食べてもいいの? 何個食べてもいいの?」
『えっ?』
もちろんだよ いいよー って
心の中では そう思って回転寿司に入った。
のに。
そう聞かれたら、なんだか いいよーっていえなくて
気がついたら
『えっ 何食べるつもり?』
と言葉が出ていた。
「マグロいっぱい。あと唐揚げ。」
そこへ店員さんが来て、今日のおすすめメニューを持ってきた。
たまたま、イワシがおすすめで料金も安かった。
『じゃぁ ままは鰯を食べようかなぁ』
「えーっ 安いのしか食べちゃダメなの?
なんで 食べたいの食べちゃダメなの? これもこれもこれも食べたい」
『いいよ。 好きなの食べな。でもこのイワシ美味しそうだから、ままはイワシ食べようかなって思ったの』
「わたしにも安いのを食べなさいっていうんでしょ。どーせ。」
『何その言い方。 恥ずかしいからやめてよ。 食べたいもの食べていいって言ってるじゃん』
このやりとりは、お腹が空きすぎたから というのが一因としてあった。
まぁ。。。
回転寿司に行くと
確かに、中トロは最後に一皿ねとか、いつも言ってるけど。
旅先では特に、空腹になる前にちゃんとお腹も心も満たそう。
にっこり笑い合ってお昼ご飯ができないまま、食べたいものを食べて店を出た。
車の中で。
こう言われたのが嫌だった、とか
こういうつもりで言ったのに、とか
言い合いながら、だんだんお互いに落ち着いてきて
玉野に入る頃に仲直りした。
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