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あてもないとまり木④ ・・・竜宮城の乙姫様

 聞いたことのある地名を思い出しながら地図を見て、まず行く場所はどこにしようかと考えた。
玉野。 日比。 渋川の海。 宇野港。 鷲羽山。 住友金属。
まず宇野港に行ってみようかな。
そのあとは・・・えーと。

ん?
うわ 素敵な名前。
玉比咩神社

ふむふむ。
会いたい気持ちになる名前のお宮。
ここに行ってから渋川の海に行こう。

大きな立岩が迎えてくれた。
竜宮城の乙姫様のお宮だった。


かつてこのあたりは入り江だった 立岩は海に立つ巨岩だった


この立岩を見て思い出して わたしの中で意識が繋がっていたのは
埼玉県秩父にある今宮神社の龍神木。
初めて訪れた日からずっと大好きなお宮にある木。大自然の神様。
雰囲気が似ていた。

秩父も太古の時代は海の中。
この立岩の場所も海の中。
だからかな。

秩父今宮神社の龍神木に会いたくなったら、ここにきたらいいなと思った。

玉比咩神社の境内から
10分ほど山を登ったところに臥龍稲荷神社奥宮があった。
龍のお宮もあった。

ウクレレを持って上がって 「へびの歌」を歌った。
あ〜〜へび〜〜 へび〜〜の歌〜〜
あ〜〜へび〜〜 へび〜〜〜の歌〜〜

臥龍稲荷神社奥宮


渋川の海は穏やかで
瀬戸内の島々がポコンポコンと浮かんでいた。
海の向こうには四国が見えて
岡山県の児島と香川県の坂出を六つの橋で結ぶ「瀬戸大橋」が見えた。

お父さんが遊んだ海なんだって

娘は浜辺を歩いたり
座って海を眺めたり
写真を撮ったりしていた。

確かにね・・・。そう言いそうよね。

渋川海岸に近い王子が岳からの景色が素晴らしいよと、岡山に住む恩人が教えてくれたので、陽が落ちる前に大急ぎで向かった。
雲がかかってきてお日様は、見えたり見えなかったりだった。
隙間から陽がさした時の美しさはなんともいえない景色だった。

王子が岳からの夕陽

陽が沈んで、車に乗ろうとしたら、
車の下に白と黒の模様の猫がいた。
以前飼っていたメーコにそっくりの猫だった。
道路の方を見たら、今度はウリ坊がトコトコと歩いていた。
娘が大喜びで、猫の写真とウリ坊の写真を撮った。

「まま すごいねぇ メーコもウリ坊も会いにきてくれたねー」

ようやく帰途につく。
明石までの道のりはナビによると 3時間ほど。
そんなに近いの〜

行くときは、目的地が定まっていなかったので距離も時間も
数に表せない長さだった。
行き先や道筋がよく分からなくても歩き続けるとは、大変だなぁと改めて思った。
ナビにセットできたらよそ見する暇もなく最短距離で効率的に進める道がわかる。

人生もおなじなんだろうな。

ナビに案内された帰り道は、楽ちんだった。
今の私たちの力量では、どちらか片道は案内通りにスルッと進むのがいいなと思った。
多分、これは何事もそうなんだろう。
今のわたし。
今の私たちにとってのちょうど良さ。

娘は車の中で 羨ましい幸せな寝顔でぐっすりと寝ていた。
わたしは、2日間の旅のいろいろなことを思い起こしながら、その意味を考えたり、味わったりしながら運転していた。

家について車のエンジンを止めると娘は機嫌良く起きた。

運動会後の3連休で
翌日は残りの1日。

最後の1日は体調にもよるので、はっきりと動き方を決めていなかった。
行けるなら行こうとしていることが幾つか重なっていて、
そのまま並べておいていたのだが 
岡山への旅の続きで行き先が はっきり決まった。

須磨へ。
須磨は娘の父方の祖母のルーツの地。
離宮道に住まいがあった。
阪神淡路大震災で離散して今はない。
先祖は染色をしていたと聞いている。

須磨寺で月見の唄会。
娘と2人。十三夜の夜に須磨寺へ。


【てるみんと音楽のお知らせ】
10月31日(木)  11月1日(金)  こずみっくで連続でライブします




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