『権力と反面教師』 1000字小説
「うるさいなあ、もう」
独り言のように呟いたその言葉は、
ぼくが思ったよりも大きかったようだ。
その証拠に手元のノートから目を離し頭を上げると、
みんなの顔がぼくの方を見ていた。
担任の代理で自習時間に来ていた先生が
怒りに震えた声でこう言った。
「今言ったことを、もう一度言ってみなさい。」
教室中の視線がぼくに集中し、期待と緊張感に包まれる。
誰も自習中のノートのページをめくろうともせず、
ただぼくたちの行く末を見守っている。
「…うるさいなあ、もうです。」
ぼくは仕方な